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Actions [行動] Lift a total embargo a country [国家完全禁輸指定] Subsidize [助成金] Customs duties [関税] Exonerate [免税] 選択項目 Advetising [広告] Air transportation [空輸] Attraction parks [アトラクション施設] Compact disc [CD] Courier transportation [宅配便] Fast food [ファストフード] Films [映画] Internet services [インターネットサービス] Lottery and bets [くじ・賭け事] Naval Transportation [海輸] Numerical networks and infrastructures [回線敷設・整備] Postal service [郵便事業] Publishing [出版業] Railway transportation [貨物輸送] Road transportation [道路輸送] Services [業務] Telecom operators [電話オペレーター] Tourism/Hotel trade [観光/ホテル業] TV channels [テレビチャンネル] Urban transportation [都市交通]
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Golem Construction 土から指揮官のGolemを作成します Golem Construction ジェム 疲労 内部ID 537 30 使用 水中判定 効果 効果量 儀式 Summon Commander 主属性 主Lv 効果発生数 射程距離 Astral 3 1 副属性 副Lv 効果範囲 命中補正 Earth 2 0 領域 Lv 防御判定 抵抗判定 Construction 7 専用国家 ゲーム内説明文 The Golem is a clay construction that is given life by the divine names inscribed on its surface. The Golem is physically strong and skilled in Astral magic. The Golem cannot command troops, however. It will never retreat from battle. 和訳 Golemは、その表面に刻まれた神の名において命を与えられる粘土の像です。Golemは強靭な体を持ち、星の魔法に熟練しています。しかしGolemは軍隊を指揮することはできません。彼らは戦闘から絶対に撤退しません。 注記 一通りの装備が可能な優秀な戦闘型指揮官ベース。指揮官とは言うものの、Mindlessなのでそのままでは兵の指揮は一切できない。それでも自律的な行動が可能で装備もできるだけで使い勝手は十分である。 サイズ5に見合うHPに非常に高い腕力を持ち、純粋な身体能力だけでもそれなりには戦える。しかしやや命中率や回避率に難があり、Mindless特性により経験値が得られない(Death Match優勝などの特殊な経験値は除く)ため、装備や補助魔法で補う必要がある。 目立つ特殊能力はないものの、火炎と毒物には素で完全な耐性があり、Lifelessでもあるので一部の魔法にも強い。防御力は意外にも控えめだが、装備は人間と同じように着けられるので問題はないだろう。 Mindlessのくせに星の魔法が扱えるため、自力でいくつかの補助魔法が使えるのもウリ。Communionを生かせば、Masterからの補助魔法での強化も見込めるため、安いアイテムで優秀な戦闘型指揮官を作れる。 アイテムなどで星魔法を1上げてやればTeleportが使用可能になるので、強襲や欠員補填が容易に行えるようになりさらに使いやすさが増す。1ぐらいなら簡単に補強できるので、積極的に活用したい。 素の指揮能力は皆無なものの、星魔法にはCrown of Commandがあるので、これを持たせてやれば最低限の指揮能力を確保できる。また他の指揮上限増加アイテムも問題なく機能する。 元から丈夫ではあるし、またGift of Reasonを利用しない場合はほぼ唯一のMindless指揮官であるため、Astral Tempestの使用時や、敵の精神攻撃があまりに強烈な場面では役立つ。ただし魔法生物を標的とする魔法が脅威になり得るので、油断は禁物。 ちなみに、MindlessのユニットはLate AgeのR lyehのDominionで発狂しない。R lyeh以外の国から見ると非常に貴重な性質なので、その場合は価値が上がるだろう。またR lyeh自身も要求スキルを満たし得るので、状況によっては利用価値がある。 なお、Mindlessゆえに自発的に撤退することは絶対になく、うっかり負け戦に送り込んでしまうと死亡が確定する。時間切れでの撤退すらしない(自滅する)ため、不意に予想外の大群に襲われるなどの事故死には警戒したい。 また星魔法もMagic Duelに対しては仇になる。これの前ではどれだけ装備を整えていても死ぬ時は一瞬、しかも星2のスキルでは星1相手でも楽観できる勝率ではない。十分な警戒が必要になるだろう。 Golem自体も安くはないが、装備を整えてあるGolemを倒されると敵にアイテムを奪われる恐れもあるので、無理をさせすぎないのは大切。たとえ安物でも失い続ければ戦況に響いてくる。 どこの国でも使いようはあるはずだが、一度はGolem Cultの副題を掲げるMiddle AgeのAgarthaで使ってみてほしい。彼らのDominionは素の状態でもGolemなどに対してGift of Healthと同等のHPボーナスを与えてくれる。 また、ここにGift of Healthを重ねると乗算されて元の4倍という異常なHPになる。GolemならばDominion10の州でHP340と、もはや戦闘型の神にも劣らない怪物ができあがる。それが量産できるとくれば・・・。 問題は、Agarthaには緑の魔法も星の魔法も使い手が居ないこと。神で補うか、膨大なGemを費やして強化するしかない。また、いささかやりすぎな感もある。普通の風景に飽きた方にぜひ。 コメント 名前 コメント
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更新日:2011-07-07 WindowsApplication1.zip 操作マニュアルUP!!(途中) 操作マニュアル.zip ここでは、アプリ開発で作成してきた次のようなテーマのアプリを総合的 に管理するをテーマにアプリを開発する。 食をテーマにおすすめのお店を管理するアプリ(食べラク) 音楽をテーマにおすすめの曲を管理するアプリ(聞くラク) 図書をテーマにおすすめの本を管理するアプリ(読むラク) mixiをテーマにマイミクを管理するアプリ(ミクラク) メイン画面 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (ProtApp.JPG) プロジェクト #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (ソース.JPG) 大きくプロジェクトは[5構成]で行う。 MainApp メインアプリ ※メインのアプリケーションを管理する。ツールアプリでフォームとユーザコントロール を設定することで、メイン画面ではその組み合わせの画面を呼び出す。 ToolApp ツールアプリ ※各フォームとユーザコントロールのレイアウトを変更できるツールアプリを管理する。 各フォームとユーザコントロールを組み合わせ情報を保存したりもこの画面で行うことが できる。 CstmControls 派生コントロールクラスの集合 ※ツールでコントロールのプロパティを FormControls フォームコントロールの集合 ※ベースとなるFMBaseクラスを作成し、自由なレイアウトのフォームクラスを管理する。 UserControls ユーザコントロールの集合 ※ベースとなるUCBaseクラスを作成し、自由なレイアウトのユーザコントロールクラスを管理する。 [ クラス構成 ] FormControls |- FMBase |- FM01* ※FMBaseの拡張クラス |- … UserControls |- UCBase |- UC01* ※UCBaseの拡張クラス |- … CstmControls |- CstmButton* ※Buttonの拡張クラス |- CstmCheckBox* ※CheckBoxの拡張クラス |- … ToolApp |- FrmUserControls* ※CstmFormの拡張クラス |- FrmMain* ※CstmFormの拡張クラス MainApp |- FrmMenuCstm* ※CstmFormの拡張クラス |- FrmMenu |- FrmMain |- FrmVersion |- FrmMenuCstmEdt |- MagicLibrary.dll [ 技術情報 ] [1].NETでDocking Windowを使う。 VisualStudioのようにドラッグしてウィンドウを分離したり、 ドッキングさせたりできるようにするライブラリを組み込む。 Magic Docking 以下のサイトで「Magic Docking」のライブラリを取得できる。 http //www.codeproject.com/KB/miscctrl/magicdocking.aspx ダウンロードしたDLLを参照設定して、利用することができる。 実装方法 using Crownwood.Magic.Common; using Crownwood.Magic.Controls; using Crownwood.Magic.Docking; using Crownwood.Magic.Menus; DockingManager _dockingManager = new DockingManager(this, VisualStyle.IDE); Content content = new Content(_dockingManager); content = _dockingManager.Contents.Add(new FrmMenu(), "管理メニュー"); content.AutoHideSize = new Size(200, 200); content.DisplaySize = new Size(200, 200); content.FloatingSize = new Size(210,550); _dockingManager.ShowContent(content); [2] アプリケーション情報取得 Application.ProductVersion [3] アプリケーション起動パス Application.StartPath [4] MDIの子フォームに割当 FrmTest frm = new FrmTest(); frm.MdiParent = this.ParentForm; frm.Show(); [5] コントロール検索 foreach(Control ccontrol in hParent.Controls) { if(cControl.Name.Equals(sName)) { return cControl; } } [6] コントロールの派生クラスを作成する。 各コントロールの派生クラスを作成し、右クリック機能を実装する。 Public class CstmCheckbox CheckBox public class CstmCombobox ComboBox public class CstmRadioButon RadioButton public class CstmTextBox TextBox public class CstmLabel Label public class CstmButton Button public class Cstmform Form ※フォームもカスタマイズする。 [7] XMLデータを抽出する。 XmlDocument document = new XmlDocument(); document.Load("test.xml"); XmlNode node = document.SelectSingleNode("Members/Member"); string sText = node.InnerText; XmlnodeList list = document.SelectNodes("Members/Member"); string sText = list.item(index).InnerText; ~ test.xml(XMLデータ) ~ Members Member Row1 山田花子 /Row1 Row2 hanako /Row2 Row3 yamada /Row3 /Member Member Row1 佐藤一郎 /Row1 Row2 ichiro /Row2 Row3 sato /Row3 /Member /Members [8] XMLデータを追加する。 XmlDocument document = new XmlDocument(); document.Load("test.xml"); XmlNode node = document.CreateElement("test"); node.InnerText = "test"; document.Save("test.xml"); [9] XMLデータを削除する。 XmlDocument document = new XmlDocument(); document.Load("test.xml"); XmlNode node = document.SelectSingleNode("Members/Member[@id= 1 ]"); document.SelectSingleNode("Members").RemoveChild(node); document.Save("test.xml"); [10] XMLデータを更新する。 XmlDocument document = new XmlDocument(); document.Load("test.xml"); XmlNode node = document.SelectSingleNode("Members/Member[@id= 1 ]"); node.SelectSingleNode("Row1").InnerText = "test"; document.Save("test.xml");
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226 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/09/20(日) 23 40 26 ID nvs7nVtF0 カーニバル上空 ステルス空中管制機「フェニックス」 20 25 スタッフ達に混じって自分の成すべきことを成し遂げているイロン。 観察役のスタッフから、ライオンの首がもげた事、 即ちユール達の勝利を聞き、それを伝えるためにルセコネクションで連絡した。 「勝った!あいつらだけでどうなる事かと思ったが、何とか倒せたな!」 「えぇ。やっぱり剣、いや彼、いや…彼女の言葉を借りるならマキナかしら? 彼の思惑通りに展開は出来ているようね。スペードの怪我は予想外だったかもだけど」 「マキナ?…あの人惑いの剣の事か。そんな風に言っていたな」 「そうそれ。それで、そっちに戦力の用意は出来てる?」 「彼らといつでも交代できるよう、10人の精鋭を用意していたが、取り越し苦労だったな」 「総帥がどこにヘリを着けたか覚えてる?」 そう聞かれたイロンは直ぐに自分の端末を操作し、求めている情報を探し出す。 「あった。そこから方位189に10キロほど離れた所にある島だ」 「えっと……あった。ドラム缶みたいな形をした島ね?」 「ただの長方形だろ…そう、その島。で、それが?」 「作戦があるんだけど、次に総帥が仕掛けてきたら、まずこっちで迎撃するでしょ?」 「決まってんだろ。それが?」 「迎撃して巨大兵器の注意を引いている内に、総帥のいる島を襲撃する」 考えたな、とイロンはルセの作戦を評価した。 防戦一方ではなく、こちらから仕掛けてみようというのだ。クロスカウンターのようだ。 しかし、それには問題点がある。フェニックスに搭乗するWSFの精鋭兵士たちの事だ。 「しかしなぁ、こっちは空に浮かぶ空母じゃない。フェニックスごと島に行くのか?」 「いいえ、乗り物はこっちで用意しておく。タワー屋上にでも置いておくわ。 とりあえずカーニバルタワーの上空へ移動してくれない?そうでないと」 「あぁ。兵士たちが降りられない。今そっちへ飛ぶように言うよ」 そう返して、イロンはスタッフ達に先の無線の事を伝えた。 スタッフ達は指示を受け、すぐさま自分たちの成す仕事にとりかかった。 227 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/09/20(日) 23 46 56 ID nvs7nVtF0 所変わって、舞台は第一ブロックへ移る。 獅子型高機動制地兵器はバレンタイン姉弟が属する 地上迎撃部隊「ダブルエース」によって止めを刺された。 戦闘中に右足を負傷したアルベルトと、傷らしい傷をそれほど負っていないアリスは 航空迎撃部隊「ノエル」のクウことクーリーが搭乗する機体から伸びる 機械腕に抱えられ、アルベルトの治療のためにターミナルタワーの屋上を目指していた。 アルベルトの負傷の進行状況は、深刻という程でもないが、 相当なダメージを与えるものとなっていた。戦いの緊張から解放されたアルベルトは 次の兵器と戦うまでの間、自分の右足を襲う激痛と戦わなければならなくなった。 アルベルトの右足には、紛れも無く穴が開いている。 足に装着していた加速器が、本来の役割とは違う防具の役目を果たしていなければ 彼の右足はとうに吹き飛んで存在していなかったかもしれない。 苦悶の表情を浮かべ、獣のような唸り声を上げる。 アリスがアルベルトに 「死なないで!死なないで!もう少しだから!!」 と声を送る。このダメージでショック死する事は無かったが、 もう時間が時間だ。一刻も早く処置を施さねば、アルベルトは出血多量で死んでしまう。 そんな二人を自機から垂らしている機械腕で持って移動させるクーリーは カーニバルタワー屋上である物を見つけた。仮設の手術室のようで、 よく医療を取り扱ったTVドラマで見る手術室にある器具や寝台が並べられている。 その近くには白衣を着た少し太り気味の男と、その助手たちであろう 若い男女七名が寝台を取り囲んでいた。準備は万端のようだ。 「スペード、ダイヤ、あともう少しだ。10秒もしないでそこに着く。すぐに治る。気をしっかり持って」 「クウ…か……もし…か…した……ら…俺は…」 「大丈夫死なない絶対死なない!見て、あそこの医者たち。あの人達がちゃんとやってくr」 「最期に……なる…かもしれ…ない、お前を、お前らを…普通の…名前で…呼びたかっ…た」 「死に真似なんてよしなさい!ほら、着いたからね! 体を預けて!私がお姫様だっこしなきゃ動けないでしょ!?行くよ!!」 「あぁ…姉貴……」死人が話す言葉のように、アルベルトの返したそれは聞こえた。 228 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/09/20(日) 23 51 40 ID nvs7nVtF0 (アイピーエス細胞と瞬間増血剤(※4)を用意しろ。いや待て、先に止血が先だろう! 一体君たちは何をやっているんだ!――どうだ、そこの君、彼の傷口は?) (銃創以外にダメージはありません。何かに感染した様子も見られません) (そうか、よし、このまま処置を続けるぞ! この子供を死なせては、後々厄介になってしまうからな、気合いを入れてかかるぞ!) ユールは機体内蔵の指向性マイクを使い、ターミナルタワー屋上で処置を受けている アルベルトの様子を窺っていた。指示をする医師とそれに従う医師のやり取りを聞きつつ、 イロンからの哨戒飛行命令を受け、アルベルトの身を案じながら周囲に注意を払った。 クーリーはアリスをタワーに立たせ、哨戒飛行を続けるユールの横に機体を並べる。 彼はログコネクションでユールと無線で会話を始めた。 「初めて命をかけて戦ったけど、ログ、大丈夫かい?」 「それは…いいえ、あまり良くないわ」 「そうだね…彼も怪我、しちゃったし。 次は何なんだろうな、蠍だとしたらちょっと不安だな…」 「何で?」 「そりゃ、奴が一撃必殺を繰り出す針をもっているからさ。 スペードがやられて、一番頭に来ているのは誰だと思う?」 「ダイヤかしら」 「そうだよ。彼女がどんな行動を起こすか分かったもんじゃない。 僕たちがもっと団結していかないと、次がどうなるか分からないよ」 ユールは無言を応答とし、クーリーの言葉を待った。 「ま、仲間ってのは信じ合うからこそ仲間って言うんだよね。 お互いが信頼しあえば、大丈夫だ。絶対に」 ユールの首にかけられているマキナが言った。 クーリーは「剣の人?」と答え、ユールがそれに返す。 「彼の名前はマキナ」 「マキナって……あぁ、あの駅前の喫茶店のマスターが言っていた、アレ?」 「かもしれないし、違うと思う。私の前任者のような人だよ」 「表現としては大体合っているかな。アr…ダイヤだったかな。 彼女が危なくなったら、僕がどうにかして彼女を守ってみせよう」 (※4 瞬間増血剤というのは、輸血効率を飛躍的に上昇させた輸血剤のような代物。 人体の造血システムに作用するものと、増血剤の進化版としての二種があるが、 アルベルトに投与されたのは両方だった) 229 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/09/20(日) 23 55 34 ID nvs7nVtF0 「ちょっと待って、ネックレスがどうやってダイヤを?」 クーリーはマキナにそう訊ねた。 実際問題、そうなのだ。どうやってネックレスが一人間を守るというのか。 「それは、彼女のおかげだよ」 マキナはそれを言ったきり、再び喋る事は無かった。 「彼女って…君かい、ログ?」 「別に私は何も。マキナは人を乗っ取るって言うけど、そんな気配は無いし」 「まぁ、あまり期待しないで、哨戒飛行を続けよう」 「…スペード、助かるといいんだけど」 「大丈夫。彼はそう簡単には死なないから」 2999/12/25/ 20 30 enemy huge offensive weapon hi-speed ground-to-ground attacker "SCORPION”’is approaching! ターミナルタワー内のWSF基地で、ルセが見ているの一つのモニターにそう表示された。 次の敵兵器が襲来したのだ。ブリーフィングで二番目に紹介した「蠍型高機動制地兵器」だ。 ルセはこれを受け、直ぐにタワー屋上に戦闘機を配備するよう通達したが、 未だにアルベルトの治療を続けているとの返答を受け、ため息をついた。 どこかに移動してからアルベルトの治療を続ければよいではないかと思われるだろうが、 彼の状態はそれが出来ないほど危険なものなのだった。 「おいルセ、東の海に異常が見られた。何だありゃ?」 「イロンね?蠍が来たわ。海面すれすれを高速飛行してこっちに近づくコンテナがある。 あの中に入っているの……ノエル2、応答して!」 「え、あの海から物凄い勢いで飛沫が出ているのって…」 「そう、蠍!今の内に攻撃して沈めておけばだいぶ楽になる!」 「卑怯だけど、どうこう言ってられないよ!」そう言ってノエル2ことクーリーは 一気に機体を加速させて東へと向かった。ユールも慌ててその後に続く。 230 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/09/21(月) 00 07 10 ID STG3w4xH0 「なぁルセ、お前の作戦、今は決まりそうにないぜ」 「……医師団に告ぎます。現在治療中の彼をどこかに移動させ、そこで治療して下さい」 イロンからのルセコネクションによる無線通信にルセは無言で応対し、 オールコネクションにしてタワー屋上の医師団の通信役に指示を出した。 「お言葉ですが、今の彼は大変危険な状態です。 後三分で一通りの処置を終えますので、それまで待って下さい。お願いします」 「分かりました。三分後にそこから立ち退き、治療を続行してください」 そう言ってルセは無線を切り、そしてため息をついた。 何故こうも上手くいかないのだろうか。全ては私のミスなのだろうか…… そう思考を巡らせていたルセの耳に、この司令部の部屋の自動扉がしゃっと開いた音が入る。 ルセが座ってた椅子を回転させて振り向くと、そこには汗だくになったキリーが立っていた。 「終わりましたよ…パワーゲージ、満タンです」 「御苦労さま。後であの部屋に戻っておいて。あなたのケアをするから。 それで…一体どういうメニューを立てて、短時間でフルパワーに出来たの?」 「MAXシリーズで詰めようかなって思ったんですけど、天ヒーにしておきました」 「ごめん、略称って分からない。とりあえずすぐに戻って。 指示があるまで休んでいいから。何か聞きたい事とかある?」 「話に聞いたんですけど、アルが右足を撃たれたって…」 「大丈夫。うちのプロがしっかり治療にあたっているから。心配しないで」 分かりました、とキリーは言って退室する。 その後ろ姿を見送り、ルセはパワーゲージをどのように使うかを考えていた。 キリーの溜めた力はどこにでも展開する事が出来る。カーニバル全体がそういう構造を取っている。 だいぶ前に先述したが、パワーゲージが1/30で缶を粉々に粉砕できるほどの力を有している。 しかし破壊力は必ずしもパワーゲージの使用量に比例するとは限らない。 加速度的に使う分量だけの破壊力を発揮できる、と資料にはある。 このゲージを5/30使うだけでも、ブロック間を繋ぐ橋を一本落とす事は十分に可能である。 蠍が橋の上に来た時、これによって橋を破壊し、海へと落としてフィニッシュを決める。 別のやり方もあろうが、ルセはこれが最良のような気がしてならなかった。 231 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/09/21(月) 00 14 11 ID STG3w4xH0 その頃、クーリーは海面に触れそうな高度で高速移動する巨大なコンテナに攻撃を加えていた。 操縦は積んでいるAIに任せ、コンテナと並走してカーニバル側に移動しつつ、 DPモードによるエネルギーライフル射撃を試みていた。 ユールもクーリーと挟撃するようにコンテナと並走し、左右の速射砲を撃ち続ける。 しかし、両者の攻撃は当たらない。狙いは正確なのだが射線がずれてしまうのだ。 その為、コンテナの姿を隠すかのような大きな飛沫が連続的に飛ぶ。 ユールはイロンにオールコネクティングで無線連絡をした。彼女なら何かアドバイスをくれるかもしれない。 「イロン!コンテナに攻撃が当たらない!!」 「ノエル1、もしかしたらそのコンテナはアードを積んでいるのかもしれない」 「でも、この大きさじゃ、積もうにも詰めないんじゃ…」 「きっと改良が進んだんだ、僕はそうじゃないかと思うよ」 「ノエル2の言う通りかもしれない。技術は日進月歩するんだ、考えられなくは無い」 そう言ってイロンは無線を切った。 畜生、とクーリーの声が聞こえる。このコンテナを海に落とす手段が無い。 よってユールとクーリーは役目を果たす事が出来ない。 「じゃ、これならどうなのよ!?」 ユールは叫び、コンテナと並走する機動を止め、コンテナの上部に移動し、 そこで並走しつつ、かなり近い距離で密着するかのような高度を保ち、 「バインドアーム…発射!!」 その号令と同時にユールは左右の黄ボタンを同時に押し、 機体下部から巨大な黄色の腕を伸ばし、コンテナに突っ込ませる。 流石にアードを積んでいるとはいえ、これを回避する事は出来なかったようだ。 黄色の腕がコンテナの両側を持ち上げる。 ユールの機体の上にはコンテナが身動きとれない状態で固定されている。 今しか攻撃のチャンスは無い、とユールは考えてクーリーに叫ぶ。 「クーリー、決めてやって!」 オーケイ、とクーリーは返し、DPモードにして、一瞬にして距離を詰め、 両サイドのエネルギーライフルの装備でコンテナにラッシュを仕掛ける。 瞬く間にコンテナはダメージを受けてへこみ、中の蠍も無傷では済まない様子を見せつける。 「決める!」とユールが呟き、黄色の腕を一旦下ろし、そして勢いよく振りあげる。 コンテナは天高く舞い上がり、それよりも少し高度の高い所にユールの機体が移動する。 ユールはすぐさま赤ボタンを連打し、レールガンを出現させ、それを連射した。 コンテナのアードは先のダメージで破壊されたようで、ユールの放った弾体は全段命中した。 232 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/09/21(月) 00 21 45 ID STG3w4xH0 レールガンの全ての弾体を浴びたコンテナは、空中で爆発し、中から巨大な蠍を吐き出した。 しかし蠍は第三ブロックには落ちず、そのまま東レイヴン海へと落ちていく。 蠍に潜航能力は無い。落ちれば最後、海中の資源ごみとなるだろう。 落ちていく。落ちていく。落ちて――― 予想される飛沫の音は上がらなかった。 蠍が海面に浮いている。いや、そういう風に見えるが、実際に「浮いて」いた。 「馬鹿な!!!」 そう叫んだのはキリーだ。続いてユールとクーリーも驚きの声を上げる。 「嘘でしょ!?」「やったと思ったのに!!」 しかし、これは現実なのだと言わんばかりに 蠍は海面すれすれの高度を保ち、遅いスピードで第三ブロックへと近づいていく。 ノエル航空迎撃部隊ことユール達二人は蠍に追いつき、攻撃を加えていく。 しかし、蠍の超振動粉砕針が的確に二人を捉えて突いてくる。 これを回避しながら戦うのは難しい。針は秒間2回は連続攻撃できる連射性能を持つ。 それに、どんな敵も一撃で倒せるというチートじみた攻撃力だ。脅威と言わずして何と呼べるだろう。 この時、フェニックスとWSFカーニバル支部の間で、イロンとルセの通話が記録されている。 「おい、蠍にあんな能力があったか?」 「いえ、そんなデータは…ないわ。ないのよ」 「技術は日進月歩だ、それならデータを載せるだろう」 「えぇ、ユール達とブリーフィングをした時の敵兵器のデータは 全てWSF本部にハッキングしてダウンロードした、正真正銘のデータなの。 それに、取得日時は昨日よ?日進月歩の説が当てはまると思う?」 「いや…あんな巨体を浮かすだけの技術は、一日じゃ無理だ」 「それじゃ、私達は偽物のデータを掴んだってことにわけ?」 「そうかもしれない…大体、あのライオンだって 最初にスペードが決めた時に勝負はついたはずなんだ。なのに、復活するなんて変だ」 「そうよね…もう、あのデータは信用ならないのかも」 「だが、敵の攻撃パターンを大体掴むことはできる。 現にあの蠍、針であの二機を攻撃している。大丈夫だ、彼らなら」 「あら、いつからそんな信頼を寄せたの?」 「ライオンを倒した時からだ。まさかやってくれるとは思わなかったからな」 233 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/09/21(月) 00 27 17 ID STG3w4xH0 ユールとクーリーは必死で蠍の進路を食い止めようとしていた。 しかし、あの超振動粉砕針の前には手も足も出ない。 超高威力の近接武器が蠍を固めている。分厚い装甲も、同じ役目を果たしている。 二機の飛翔する箱がいくら攻撃しようと、簡単に壊せる相手ではなかった。 「ねぇ、蠍の視界は正面180°じゃなかった?」 「そうだ、そうだったよログ、ありがとう!」 短いやり取りを交わし、二人は蠍の前で迎撃するのを止め、 後ろに回り込んでから総攻撃をしかけ始める。 それでも蠍の固い装甲が鉄壁の守りを見せる。戦略も何もあったものではない。 はっきり言って、二人の打つ手は無かった。 「これじゃあ、橋を落として…っていうのも出来ない。 航空部隊の攻撃だって、全くって訳じゃないけどダメージは与えられないし… あ、脚を破壊したら水面フローティング機能も無くなるかもしれない! ……航空部隊じゃ、狙うのは難しいかなぁ…うーん……」 ルセは司令部で呟いていた。周りはスタッフがいて、皆が同じ難しい顔をしている。 ここまで蠍の防御能力が高いとは思っていなかったのだ。 戦闘の経過を見ると、ハッキングして入手したデータに比較すると それに比べて倍近くの防御能力を有していると推測してしまった。 知ってしまった大きな事実。勝ち目は今のところ見いだせないでいる。 ルセはオールコネクションでユール達二人に叫ぶ。 無茶とは知りながらも、どうにかして頑張ってほしいと願っていた。 「どうにかして奴の脚を狙って!」 「無理でしょ!海面すれすれを飛んで、着水したらこっちがオジャンよ!」 「そうですよ、あなた達ならできるかもしれないが、こっちは素人…うぅ!!」 「クウ、大丈夫!?」 「今まで我慢してきたツケかな。凄く気分が悪い」 「どうにかして耐えて!少しかもしれないけど、ダメージは確実に与えられている!それじゃ頑張って!!」 無責任にも程がある!と憤慨したクーリーは意を決して180°回転して背面飛行に移行、 徐々に機体を海面に近づけ、手近な脚一本に狙いを絞って鍵盤を猛烈に連打していった。 234 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/09/21(月) 00 34 28 ID STG3w4xH0 クーリーの決死の攻撃によって蠍の右の一本の脚を破壊する事が出来た。 が、蠍はバランスを崩し、体の一部を着水させながらなおも突き進んでいく。 蠍のバランスの脆い所をユールがレールガンで徹底的に叩く。 次第に蠍の巨体が海に引きずり込まれるかのように沈んでいくが、 第三ブロックまで残り500メートルも無い。この調子では蠍が上陸してしまう。 ユールは食い止める事が出来なかったと悟り、ルセとイロンに向けて叫ぶ。 「ゴメン、海上での迎撃、撃墜は失敗した!」 「そうか…よくやった。いま、スペードの治療が終わった。 これから総帥のいる島に総攻撃をかける。 WSFの部隊が行くから、君たちは加勢しないで良い」 「私達だけじゃあの蠍は倒せそうもないですって!」 「えぇい、リーダーのお前がそんな弱気でどうする! いいかよく聞け、この世に絶対倒せない敵なんてものは存在しないんだ!分かったか!?」 イロンから短い説教を受け、ユールはすぐに心を取り戻し、 はい!と返事をして蠍への攻撃に移った。その時である。 「いざとなったら、僕が君たちを助ける」 マキナの小さな、それでも確かに聞こえる声がユールの耳に届いた。 ガシャアアアァァァ!!!ゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオォォォ……ドーン!!バーン!!! 色んな音が響いた。これらを採集すれば、きっと私好みの音楽が作れるだろう。 とうとう蠍が第三ブロックの港を破壊しながら上陸した。当然、港はぐしゃぐしゃだ。 第三ブロックについてはだいぶ前に先述したが、ここでもう一回書いておこう。 私自身が確認したいし、忘れている人もいるかもしれないからだ。 第一~第三ブロックは中世ヨーロッパの街並みである。 どのブロックでもひっきりなしに曲が流れているが、 流れている音楽のジャンルは、第一、第二ブロックのものと異なっていた。「ロック」である。 GFdmで人気の曲が園内スピーカーに大音量で響き渡る。 円形の島の中心から、クモの巣を張り巡らすように通路をかたどる建築物に囲まれている 広大な中央広場のライブステージでは、ひっきりなしに誰か彼かがバンド演奏をしている。 しかし、今はターミナルタワーで開催されている「トプラン決定戦」のために誰もいない。 そんな第三ブロックで、これから戦闘が開始されようとしている。 今度ばかりは誰かが死ぬかもしれない。誰もが少なからずそう思いながら、戦いのゴングが鳴らされる時を待つ。 237 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/09/23(水) 23 38 10 ID M5Pu08Oh0 2999/12/25 20 36 ノエル航空迎撃部隊の抵抗を切り抜け、第三ブロックに蠍が上陸した。 ただ上陸し、ただ上品にそこでつっ立ってくれるのなら全く問題は無い。 しかし蠍は兵器だ。高機動な制地兵器だ。そんな要求がまかり通ると思ったら大間違いである。 第三ブロックのライブステージとも言える中央広場の 巨大な円卓の上にアリスが臨戦態勢の構えを取っている。 ネックには手をかけず、ただひたすらにオルタし続けていく。 こちらから向かって迎撃するような真似はしなかった。 蠍が素直に広場に通づる道を通る訳がなく、辺りを滅茶苦茶に破壊しながら進むのだから アリスが自分から打って出る真似をしないというのは賢明な判断といえよう。 蠍は対になっている鋏を用いて前方に立ちふさがる障害物を切断、 針で粉砕し、通り過ぎる体で跡形もなくしていく。 そうしてようやくアリスの前に蠍が姿を現した。 キシャー!と奇声を上げ、口から炎を噴きながら体当たりしてくる。 アリスは加速器を使って右に走って避ける。 蠍の衝突の衝撃によって円卓が壊れていく音が辺り一面に響き渡る。 その音を聞いてからアリスが振り返り、 (あの蠍の全身はとても固い。装甲を攻撃で全部剥がすとなると相当な長期戦になる。 次の敵の相手をする事も考えれば、15分程度でカタをつけたいのよ。 でも、正攻法で行こうとしたらそれは無理。でも、脚を積極的に狙えば…… この八本の脚は比較的に装甲が薄いの。ここを攻撃する。 航空部隊がこれを狙うのは難しい。だから地上部隊がライオン戦と連戦になる。 それは航空部隊も同じなんだけどね。負担は地上部隊の方が上になるわ) ブリーフィングの時のルセの言葉を噛みしめながら、狙いやすい脚一本に狙いをつけて緑の弾を撃った。 爆音が響き、着弾とともに狙いをつけられた蠍の脚が吹っ飛ぶ。 アリスはそれを見届け、走って距離を取りながらチャージショットの準備をした。 238 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/09/23(水) 23 43 51 ID M5Pu08Oh0 「始まったな」 そう呟いたのは、ターミナルタワーの上空で滞空するフェニックスのイロンである。 彼女は観察役のスタッフと共に、アリスと蠍の戦いを観戦する。 アリスが二本目の脚を破壊したのを見て、アリスは観察役に言う。 「残りの六本の脚をこの調子で壊せたら、倒せるかもしれないな」 「そうですね。でも、そんなに上手くいくのでしょうか」 「心配するな。彼らならきっとやってくれるさ。 それより、島攻撃部隊の出撃準備は出来ているのか?」 「大体の準備は出来ているようです。 兵士輸送用のヘリが一機、地表攻撃機が二機。 これだけあれば、あの規模の島を制圧出来ます。 それに、あの島には総帥と数名の護衛しかいないはずです。大丈夫です」 イロンはその言葉を聞いてニヤッと笑い、最終的な準備が出来次第、即出撃するよう通達した。 「始まったか…」 そう呟いたのは、一通りの治療を終えたアルベルトだった。 簡素な移動式ベッドから起き上がり、周りの制止を振り切って装備を整える。 ゴーグル、パワードスーツ、加速器、ジェットパック、そしてギター型の銃。 それらをすべて装着したアルベルトは、医療班の一人の男に話しかける。 「なぁ、あそこで戦ってるの、俺の姉貴なんだよ」 「そのように話は聞いております」 「頼む。姉貴一人じゃ心配だ。行かせてくれ」 「駄目です。無理をしたら足の傷が…」 「アンタらのお陰でこの傷は塞がったよ。 だがな、姉貴を失ったら、その傷は一生塞がらない! 悪いがな……俺は姉貴を助けに行くぜ!!」 そう言うとアルベルトは加速器を使って医師団から離れた。 一直線に東に向かって走り、タワー中央で出撃し始めのヘリ一機と攻撃機二機を追い越し、 追い越した三機が動き始めると同時にタワーを覆っていたシールドが解除され、 タワーの縁でジェットパックを使って飛び上がったアルベルトは 島攻撃部隊と共にターミナルタワーを後にした。 239 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/09/23(水) 23 48 49 ID M5Pu08Oh0 アリスと蠍の戦いは、アリスがアドバンテージを握っていた。 アリスにはノエル航空迎撃部隊の支援がついているし、 何より彼女には蠍にはないものを持っている。 それは「心」だ。機械も同様に人工知能、即ちAIは持っている。 しかしそれを人の心と同じと考えるのは少し違ってくる。 あまり大きく踏み込んで書くと、あらゆる方面からのバッシングを浴びそうなので控え目に書くが、 人の心をもった機械なんて存在しない。そんなAIなどあり得ない。 機械が人になりたいと思うのをおこがましいと思っているのではない。 ただ、それが「あり得ない」と思うだけ。それだけなのである。 話がそれてしまった。本筋に戻そうと思う。 アリスの心が思う事は「大切なものを守る」ということだ。 それはユール達五人が全員一致で思っている事だが、大切なものの定義は五人ともバラバラだ。 彼女の場合、それは「アルベルトの命とカーニバル」になる。 前者は達成できるかどうかは分からないが、後者はこの頑張りでどうにか出来る。 その思いがアリスを強くしている。 色んな装備で強化された身体能力+αのαが、その心の力なのだ。 崩れ果てた円卓の瓦礫の中、ギターを構えるアリスと機械仕掛けの蠍が対峙している。 既に蠍は右の脚部を二本、左の脚部も二本やられている。圧倒的にアリスが有利だ。 コントロールバランスをどうにかして保っている蠍相手に 万全の状態のアリスがやられるはずがない。誰もがそう思っていた。 その考えは甘かった。 油断をしていたわけではない。だが、甘かった。 蠍の攻撃パターンは「突進→敵を追い回すように火炎放射→針の一刺し」であった。 しかし、そのパターンは六回目のシークエンスに突入してから変わった。 アリスは次の突進に備えて身構えていた。 今までがずっと同じワンパターンな戦法で蠍が戦っていたのだから、 そうするのは必然と言えるかもしれない。 しかしアリスの予想に反し、蠍は右の鋏をアリスに突き出した。 ジェットパックを併用して飛び下がるアリス。そこへ蠍の追撃が入る。 左の鋏が空を飛ぶアリスを叩き落としたのである。 勢いを持って石畳に叩きつけられるアリス。 武道の経験も無いので、ろくな受け身が取れず、悶絶する。 そこに蠍が高速で接近し、火炎放射器を収納する口を開く。 アリスが起き上がった頃には、既に蠍は炎を吐いていた。 240 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/09/23(水) 23 52 41 ID M5Pu08Oh0 炎が蠍の口から吹き出す。 それは勢いをつけてアリスを包み込もうとする。 そこに一つの影が割り込んだ。 「うおおおおぉっ!!あちちちちちちち!!!!!」 謎の影が出す声は、確かにアルベルトのものだった。 彼はアリスの盾になるような位置に立ち、結果として彼女の盾になり得ている。 「ちょっと涼しくしてやるぜ、そりゃ!!」 アルベルトが叫びながらネックの青ボタンを押さえ、思い切りピックする。 すると巨大な氷の塊のような弾体が炎の発生源、即ち蠍の火炎放射に向けて飛び、着弾する。 ガキイィィンッッ!!!と辺りに物が凍てつく音が響く。 火炎放射も止み、石畳が焼け焦がされたのを見ながらアリスは弟の声を聞く。 「俺は大丈夫だ!さ、チャージショットで火炎放射器を粉々にしてくれ!」 見ると、蠍の口の中にある火炎放射器は氷漬けになっていた。 これに強烈な衝撃が加われば、ほぼ間違いなく粉々に砕けるだろう。 アリスは迷わず緑ボタンを押さえ、ピック。 緑の弾体が爆音と同時に発射、飛翔、着弾する。 それと同時に、蠍の火炎放射器が氷漬けのまま粉々に砕け散っていく。 「よし!」「よし!」 珍しく二人の声が、セリフを一致させてハモった。 蠍は攻撃手段の一つを失くし、稼働可能な脚を総動員して後方にジャンプ、二人と距離を取る。 勿論、この間にも蠍は上空からクーリーの攻撃を受けている。 しかし、攻撃の威力や蠍の防御力の関係上、有効なダメージソースになり得てはいない。 蠍が攻撃パターンを変えてきた以上、蠍の動きに一層の注意を払わなければならない。 次に繰り出されるのは鋏か、突進か、それとも一撃必殺の針か。 答えは突進だった。アルベルトが左、アリスが右に避ける。 この後は火炎放射が来るのだが、それが無い以上どんな攻撃が来るか分からない。 蠍はその場でジャンプをして反転しながら尻尾を横薙ぎに振り回した。 尻尾はアリスに当たり、吹き飛ばして蠍が着地、次にアルベルトを左の鋏で突いた。 ギターを盾にしてアルベルトが鋏を受け止め、しかしそれでも彼の体は後方に吹き飛ぶ。 この一連の動作、大型の機械の動きとは考えられない程の俊敏さを見せつけている。 ライオンの機動もかなり速いものであったが、蠍の機動はライオンを上回っていた。 241 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/09/23(水) 23 56 25 ID M5Pu08Oh0 「あっ!」 ユールはアリス、アルベルトの攻撃を受けた場面を見、体をこわばらせた。 「マキナ、あの二人が…」 「大丈夫。僕がいる」 「あなたがいるからって…」 「すまないが、君の体を借りる」 「え?」とユールが返す。マキナが答える。 「僕は『魔剣』とか『人惑いの剣』とかって言われている。 それがどういう意味か、分からないと思う。…これからする事は、その意味を成すって事だよ」 マキナが喋り終わると、マキナ自身が強烈な光を発した。 ユールはその光を見ていくうち、自分の意識が急速に薄れていくのを感じていった。 それからしばらく、ユールは呆然としていた。 彼女は自分の意識を取り戻し、下の戦いぶりを見る。 蠍が本気を出してきたようだ。地上部隊の二人はどう見ても苦戦している。 それを見たユールは筐体をいじくり始めた。 「自動操縦にして…設定は滞空でいいか。…無線はこうか。 コネクション設定はクウ…こちらノエル1。ノエル2、聞こえるかい?」 「聞こえる…誰だ?ログじゃないな、答えろ!!」 「何で分かったんだ…君の言うとおり、僕はノエル1じゃない。 僕は彼女の体を借りている。外見は彼女だが、中身は僕だ」 「体を?…お前、マキナか?そうなんだな!?」 「察しが良い。いや、良すぎる…君は本当に一般人か? それにしては勘が研ぎ澄まされすぎてる感じがするが… まぁいい、ちょっと僕は地上部隊の手助けをしてくる」 「ちょっと待て。マキナ、ここから飛び降りる気か?」 「安心してほしい。もう既に、彼女の体は人間を超越している」 「なんだって?」 「そのまんまの意味さ。彼女は身体能力のレベルで言えば あの強化服を着た双子より少し上の程度まで進化している。『光』のお陰でね。 だから、ここから飛び降りても彼女は死なない。 もっとも、この時点で彼女の体が駄目になれば、僕も死んじゃうわけで。死ぬわけにはいかないんだ」 「機体はどうするんだ」 「自動操縦にしておいた。滞空させているから、護衛はよろしく。 地上への攻撃は僕が代わって担当しよう。すぐに決着はつくと思うから」 そう言うとユール、いやマキナは「すっ」と体を機体から離れた。 何の抵抗も無しにユールの体が重力に沿って落ちていく。 それを見つめるクーリーが呟く。 「マキナ…ユールを頼んだぞ……」 242 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/09/24(木) 00 06 46 ID CXjxjKMN0 アリスが攻撃を受けた後、彼女は無線でアルベルトに蠍を挟撃する作戦を伝えた。 蠍の後ろに回った方が残った脚をチャージショットで破壊するというものだ。 しかし、そう簡単に破壊させてくれそうに無かった。 アリスは自分と蠍が一対一で戦闘を始めていた時、 その時の蠍は本気ではなかったような印象を持ち始めていた。 後ろに回ったアルベルトが撃つ。 蠍が軽快なフットワークで回避する。 建造物に流れ弾が被弾、倒壊。 アリスが後ろに回るべく加速器を使って移動。 蠍が尻尾を振って接近を許さない。 不意に針が槍のようにアルベルトに向かって突き出される。 アルベルトが体を回転させて針を回避、攻撃を惹きつけるべく蠍の前へ出る。 鋏や針を使った攻撃がアルベルトに集中する。 その隙にアリスが五本目の脚を破壊。 蠍が自身の装甲をパージ(破棄)。バランスコントロールを管理する。 そんな中、蠍の上に影が上から落ちた。 その衝撃で蠍が地に伏せる。アルベルトがその影を認めると、大声で叫んだ。 「おい!なんでお前がそこにいるんだ!!」 「お前」と呼ばれたのは紛れもなくユールだった。 だが、その様子はいつもの彼女とは違う。雰囲気が違う。 そしてそれとは別に、彼女がここにいる事自体が異常だった。 その異常性に気づいたアリスがユールに叫ぶ。 「ちょっと、飛行機はどうしたの!?」 「自動操縦」とそっけなくマキナは答え、右手を自分の首に持っていく。 そして剣を結んでいるネックレスに手をかけ、ブチッと音を立てて鎖を壊した。 すると同時に剣が巨大化、大剣として機能するようになる。 「ログ、お前どうする気なんだ?」 「決まってる。蠍をぶっ壊す」 話し方がユールのそれではなかった。 そんな事はアルベルトもアリスも感づいている。 だが、今は状況が状況。そんな事でどうこう言っていられない。 「元々この体に宿っていた心は眠っている。今の彼女はこの大剣の心が支配している。 この蠍をぶっ壊したら元に戻すよ。全部ね」 ユールの体を借りるマキナは、双子にそれだけ言うと、宙返りをしながら蠍から飛び降りた。 carnival (re-construction ver) Phase 3 -decisive battle- St.5へ続く コメント 名前 コメント
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Divination 敵の州を占いで偵察します 未使用の魔法です Divination ジェム 疲労 内部ID 145 0 使用 水中判定 効果 効果量 儀式 水中可 Scry 主属性 主Lv 効果発生数 射程距離 Holy 3 1 副属性 副Lv 効果範囲 命中補正 - 0 0 領域 Lv 防御判定 抵抗判定 Disabled 1 専用国家 ゲーム内説明文 The priestess uses her oracular powers of observation to reveal everything about a province. 和訳 Priestessは行政区の全てを明らかにするために、彼女の信託による観察能力を使用します。 注記 珍しくデータが残っている未使用魔法。当然プレイ上の意味は皆無だが、その気があればMODでデータを弄ることで見ることはできる。 ただし聖魔法の儀式はバグがあるそうで、Shift+Mによる連続詠唱指示を出すとターン経過の際にエラーが発生するらしい。あえて使えるようにしようという人はまずいないとは思うが。 説明からすると、本来はArcoscephaleの固有魔法だったか、もしくはその予定だったものと思われる。現在の仕様だとDominion下自動偵察もあるし、Late Ageは首都の魔法土地自体に遠隔偵察機能が含まれるので、それらに取って代わられたのだろう。 コメント 名前 コメント
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177 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/10(月) 22 05 50 ID vrLAzWIt0 「ねぇアル、クーリーは何の曲を聴いているんだろう」 唐突にアリスはアルベルトに問いかけた。 彼は数年前にクーリーが何か大きな音ゲーイベントに参加した時の事を思い出した。 何の大会だったか、クーリーは大勢の人の前でIIDXをプレーする事になっていた。 確かあの時、クーリーは今と同じように曲を聴いていた。 アルベルトはその時、クーリーに何の曲を聴いているのかと尋ねたことをも思い出した。 その時にクーリーの返した答え。それは、 「あぁ、今聴いている曲は『DEPARTURE』だよ」 これだった。クーリーはIIDX専門のプレーヤーだったはずなのに、 何故ギタドラの曲を聴いているのか?そう疑問に思ったアルベルトは問いを重ねた。 「どうして。お前ギタドラはやらないじゃないか」 「うん。あのゲーム、僕には最高に素晴らしいと言っていいほど合わない。物凄く苦手だよ。 でもさ、最高に良い曲は沢山あるでしょ?それを聴きたいって言うのは自然な感情だ。 この曲はさ、このシリーズの中で素晴らしい曲の内の一つだと思うよ。 歌詞も素晴らしいと思う。今のこの状況には多分合っていないけどさ、 この歌詞を聞いて、意味を噛みしめると、何故だか力が沸くんだ。不思議だよね」 そうしてクーリーは曲を聴き、そして大会で好成績を出していたはずだ…… とアルベルトは回想を終え、隣で答えを待つ姉のために口を開く。 「アイツさ、音ゲー曲の中でお気に入りの曲を聴くと力が沸くんだって何年か前に言ってた。 あの時聞いていた曲は『DEPARTURE』だったよ。今同じ曲を聴いているかはどうか分からない。 『quesar』のようなどこか悲しい雰囲気を醸し出しているトランスを聴いているかもしれない。 『RED ZONE』みたいな激しく、気分が乗る曲を聴いて気持ちを昂らせているかもしれない。 『冥』とか『HEAVEN INSIDE』とかさ、テーマ性が強い曲を聴いているかもしれない。 でも、俺にはクーリーが今何の曲を聴いているのかは分からない」 そう、とアリスは何処か寂しげに返し、そしてアルベルトに言った。 「さて、そろそろ時間ね」 「あぁ、そうだな…アヤ!」 「この時間となれば…出撃だな?」 「あぁ!」「そうよ!」 「台詞が合ってない。ハモるなら合わせろ。 ……それでは、これより『ダブルエース陸上迎撃部隊』…出撃!」 おう、行くよ!と双子はセリフを合わせられないながらもハモって兵器廠出入り口の一つへ飛び出した。 これから二人はメトロに乗り、第一ブロックにて待機する手筈だった、とアヤは確認しながらクーリーの方に顔を向けた。 178 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/10(月) 22 12 27 ID vrLAzWIt0 「クーリー、そろそろ」 アヤはそれのみを話し、クーリーに呼びかけた。 呼びかけられたクーリーは満足そうな笑みを浮かべ、 MPDとイヤホンを元の場所に戻し、そしてユールと同じように飛び込んで搭乗した。 二つの戦闘機の中には、意識シミュレータで装備していたものと同じゴーグルと、 それとよく分からないヘルメットのような物があった。 「ブレインコントローラ。意識シミュレータで学習し経験を積んだろう? あのイメージ通りに機体を動かす装置だ。あそこで動かすのと大差ないさ」 アヤの声が二人に聞こえた。 ユールもクーリーもそれらを装備し、意識シミュレータで学習した通りにそれぞれの機体を操作する。 二つの箱が少しふわっと浮いた。 「凄い、ちゃんと動いている」 ユールは一言感想を誰に言うでもなく呟き、そして何かが起きている事を感じ始めた。 意識シミュレータ内で動かしたようにこの機体は動いたが、 全身を包む不快感と安息が入り混じったこの精神状態を経験するのは初めてだった。 私の手元に二機の戦闘機についての資料がある。 勿論、ユールとクーリーが乗り込んだ機体についての資料だ。 元々はWSFカーニバル基地航空部隊のエースであるアヤと、 基地航空部副隊長トルセの為に開発された機体だった。 部隊長は統率力に秀でた人間ではあったが、飛行機のパイロットの腕は一流とは呼べなかった。 この機体にはPSCRで使われている「異次元」へのアクセス技術を応用している。 PSCRはPSCRの中に異次元を生み出し、その中の容量分だけ中に物を詰め込むことが出来る。 これを応用し、機体の中に異次元空間を置き、そこから弾薬を補給し、兵装の姿を表す。 機体に生成する異次元の容量は殆ど数字を無視できる程大きい。 よって、積んでいる弾はもはや無限弾と言っても過言ではない。 179 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/10(月) 22 22 48 ID vrLAzWIt0 アヤの為に開発され、今はクーリーが搭乗している機体と、 それが積んでいる兵装とその使い方について触れてみよう。 青い箱の中にIIDX筐体の形をしたメインコンピュータがある。 筐体の画面中央には機体前面に搭載しているカメラを通じて外の視界が映る。 搭乗時に外が全く見えなくなるという訳ではないが、一応つけた機能といった感じだ。 周りの様子はHMDを通して見るレーダーを確認すれば良いし、 何よりそうして視界を確保しているのだから、わざわざ画面中央を見なくてもよいのだ。 そして、快適な操作性を実現させるのに大きく貢献したのが 「ブレインコントロールシステム」の実装である。ユールの支援機も実装している。 ブレインコントローラを装着、機体と神経接続し、パイロットと機体が文字通り一体となる。 これをブレインコントロールと言い、これによって物凄く高い機動性を得る事が出来るのだ。 そこらの素人だろうが、一流パイロットを凌駕する可能性を秘めたこのシステム。 そしてこの箱型の機体の持つあり得ない機動性。二つが融合すれば鬼に金棒と言える。 乗り手の腕が最高だったら、鬼と金棒の部分が別の言葉に置き換わっているだろう。 だが、これにはあるデメリットがある。一種の副作用のようなものだ。 パイロットは機体と神経接続をする。すると、一種の不快感が現れる。 そしてもう一つ。戦闘中に何らかの攻撃によってダメージを受けてしまったとする。 すると、神経接続をしているパイロットもダメージを負ってしまうのだ。 どうにかならなかったものかと私は思うのだが、どうにもならなかったからこうなったと考えるしかない。 それでも、デメリットがこの程度で幸いだと考えるべきだと私は思う。 何故なら、これら二機の戦闘機、支援機の機動性を実現させる この技術によるリターンは予想していたより少なかったからだ。 次に、クーリーが搭乗している機体の兵装について説明しよう。 この項に、機体内部にIIDX筐体の形をしたメインコンピュータがあると書いた。 つまり、攻撃と兵装切り替えはこの筐体に命令を入力すればよいのだ。 どうやって筐体に命令を入力すれば良いかというと、簡単だ。 普段IIDXをプレーするように、鍵盤を叩いたりエフェクターをいじったりすれば良い。 攻撃は鍵盤を叩いて行う。これについて、SPモードとDPモードと呼ばれる形態が存在するが、後述する。 兵装切り替えはVFEXボタンを押す。曲選択時に難易度を変更するボタンだ。 ノーマル時「エネルギーバルカン」→ハイパー時「エネルギーライフル」 →アナザ―時「とどめの一撃」→ノーマル時…と切り替わる。 エフェクターのつまみは、主に兵装の威力の調整に使う。 対地攻撃をする際、あまり地上に高攻撃力による攻撃の被害を出したくない時などに調節される。 個人的に特徴的だと感じたのが「SPモード/DPモード」の存在だ。 実際にIIDXをプレーした人ならお分かりになっていると思われるが、 あのゲームにはシングルプレーとダブルプレーという二つのプレースタイルがある。 同じゲームとは言えないほど、それぞれに違うゲーム性がある。 それを機体のシステムに組み込んだ。これによって攻撃の手数を倍にしたり、 戦略性を持って敵と戦う事が出来るようになった。簡単に言えば、かなり強力になれるという訳だ。 唯一の欠点は、DPプレーヤーでなければこのシステムは使いこなせないといった所だろう。 それさえ乗り越えられれば、無限のポテンシャルを秘めたシステムに化けるだろうと私は考える。 180 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/10(月) 23 37 51 ID vrLAzWIt0 次にユールの搭乗する支援機について説明しよう。 機体自体の性能はクーリーのものとほぼ同一だが、若干見劣りする部分がある。 その欠点を補うために追加装甲による防御力向上が図られている。 ここで書き忘れていた事に気がついた。二つの機体の防御の構造だ。 前にユールが機体に触れると、手が機体そのものに到達する前に 見えない壁に阻まれ、何も無い所で波紋が広がったと書いた覚えがある。 これが「不可視障壁」による防御構造だ。ダメージを大幅に減少させる効果を持っている。 そして支援機にはもう一つの防御構造を追加している。 数年前にWSFが開発に成功した技術があった。 資料を読んだ私だが、その名前は忘れた。殆どの人々が知らないのだから、それでいいかもしれない。 何故そうなるのかというと、これは公に発表された事ではないからだ。 「絶対に攻撃を喰らわない」…これをコンセプトに開発された技術。 それを使って生み出されたのが「アブソリュートアボイドデバイス」だ。 通称はAAD、アードとも。言葉を直せば「絶対回避装置」と呼べるだろう。 (本当に名前を忘れたため、私が独自に命名し、正式名称にとって代わらせている事をご了承願う) 元は人間がその装置をつけ、危険な場所へ赴く時にその真価を発揮させると言われていた。 AADの使い方とその流れはこうだ。 「AADを作動させておく→敵が銃を撃ってくる→銃弾が自分へ飛んでくる→射線がずれて当たらない」 これほどまでに完璧な防御装置があっただろうか。 これさえあれば、誰もが戦死しない人間になれるのだ。夢のような話だ。誰も死なない命のやり取りだなんて。 だが、その夢は叶わなかった。二つの重大な問題点があったからだ。 小型軽量化が進まず、従来の一機の大型戦闘機にギリギリ積めるかどうか 分からない程度のサイズに縮小する事すら出来なかったのだ。 そしてこれを作動させる際、多大なエネルギーを要するので、実質使えない事になってしまった。 それでも技術班は努力を重ね、成果を出した。 問題点の根本的な解決には至らなかったが、どうにか支援機に搭載する事は出来るようになった。 少しだけ進んだ小型化技術と、戦闘機と支援機の両方に搭載している特殊ジェネレータの開発がそれを実現させた。 だが、長時間連続して使う事は出来ないようになっている。 長くても5秒程度しか効果を発揮させる事が出来ない。 再使用までのチャージ時間も10秒と長い。タイミングを見極めて使うしかない。 長ったらしい説明もこれで最後だ。兵装について説明しよう。 この機体もメインコンピュータが特殊なものになっている。 ポップンミュージックの筐体の形をしているのだ。 操作方法も戦闘機と同じように、兵装切り替えは譜面難度変更操作をすればよい。 ただ、戦闘機とは異なった部分がある。戦闘機の場合、一つの譜面難度に一つの兵装が割り当てられていた。 支援機では一つの譜面難度に四つの兵装を使用する事が出来る。 ノーマル時は照明弾、速射砲、バインドレイン、リニアガン。 ハイパー時はミサイル、グレネード、バインドアーム、リニアガン。 エクストラ時はミサイル、火炎放射器、バインドランス、リニアガン。といった風に。 どの譜面の時も、赤ボタンだけは共通してリニアガンを発射するボタンになっている。 ちなみに、左右対称に割り振られた同色のボタンは同じ兵装を積んでいるが、発射するサイドが違ってくる。 181 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/10(月) 23 41 59 ID vrLAzWIt0 さて、これで二機の機体の説明は終わった。 書き忘れが無い限りは、以降に解説は無いと思われる。 もしあったとしても、それは後付け設定ではない。本当なので信じて欲しい。 二人はゴーグルに内蔵されているスピーカーを通して アヤの指示を受け、ゆっくりと兵器廠内を移動していた。 移動中にユールはある一つの疑問を抱いた。思い立った彼女はアヤに問う。 「アヤ、ちょっと」 「どうした、ノエル1」 「あ、私達の名前ってそういうのになったんだっけ」 「そうだよ、ログ。僕はノエル2のクウだからね。忘れないで」 クーリーが会話に割り込んだ。 「大丈夫。それで、聞きたい事があったんだけど」 「何だ」 「私達、一体何処から出るの?」 あ、とクーリーの声が聞こえた。 二人とも、一体兵器廠のどこから航空部隊は出撃するのか、という事は全く知らされていなかった。 これはいつまで経っても二人が出撃不可能であるという事を意味している。 「もうしばらく進んだ先に床に大きな穴が開いている。 ライトで照らして安全を確保しながら進んでいくと、メトロの海底トンネルに出る。 トンネルから第一ブロックのメトロステーション方面へ移動、そこから地上に出ろ。 それと、敵が来るまでは哨戒飛行だ。上空をぐるぐる回っていればいい」 アヤはそれだけを言って無線を切った。 とりあえず二人は指示に従って前進を続けていく。十秒もしない内にアヤの言っていた穴を見つけた。 元々床下からの搬入口らしいが、この際どうこう言っていられない。 クーリーを先頭にして二人は穴へとダイブした。 下へと向かうトンネルは進めば進むほど外気温が下がっていく。ユールの肌に鳥肌がたち始めた。 182 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/10(月) 23 46 19 ID vrLAzWIt0 「ノエル2よりノエル1へ。ログ、もう少ししたら直角に左に移動する。道がそうなってる」 クーリーからの無線通信だった。ユールは「了解」とだけ返し、クーリーに追従し続ける。 青い箱が左旋回を始めた。ユールはスピードを落としつつ、 ライトで照らされた姿を見せるトンネルと接触しないように左旋回する。 「大丈夫?」クーリーが訊ねる。 「大丈夫。かすってもいない」ユールが答える。 「なら良かった」とだけクーリーが言って無線が切れる。 何処までも続いているのではと錯覚を感じながら、二人はゆっくりと機体を前進させていった。 しかし、30秒も経たない内にクーリーからの無線連絡がユールの耳に届いた。 「前方約1キロ先に光が見える。 多分、あれがアヤの言っていたメトロのトンネルとの合流点だよ」 「分かった。クウ、このまま先導飛行をお願い」 ユールはそう返し、前方に神経を集中させた。 光源の位置や二機の位置の関係上、ユールから見れば青い箱から後光が差して見えなくもなかった。 約20秒が経過、二機は第一ブロックステーションとターミナルを結ぶ海底トンネルを移動していた。 数十秒が経過する頃には、第一ブロックステーションのプラットフォームが見え始めていた。 そこからターミナルへ移動した時の事をユールは思い出していた。 あの時、メトロの窓から見た海底は綺麗だったが、 今は暗くてよく分からないものが出そうな雰囲気に包まれていたように感じた。 簡単に言えば、彼女は夜の海底にある種の恐怖を感じていたのだ。 闇に包まれた二つのトンネルをライトで照らしながら進む出撃の旅も終わりを告げた。 二機はステーションと地上を繋ぐ階段を地形に接触しないようにしながら上がった。 それから一気に速度を緩ませることなく上昇、その後旋回を続けた。 ユール達の二機が飛びまわっていた夜空は雲が少なかったという。 満天の星空。雲の少ない綺麗な夜空。体の細い月の浮かぶ夜空。その中を飛ぶ青と緑の箱。 地上にたつバレンタイン姉弟はそれを見てどう思ったのだろうか。 多分、綺麗だな、と感想を抱いたに違いないと思う。私が見ても、そう思うだろう。 183 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/10(月) 23 50 00 ID vrLAzWIt0 「ユール、聞いてほしい事がある」 誰の無線連絡かとユールは訝しんだが、無線ではなかった。 ユールの首にぶら下げている小さな剣のペンダントが空気を震わせていたのが分かった。 今はコールサインで呼んで欲しいと思ったが、 機内の独り言なら傍受されて不利になる事もあるまい、とユールは考えて口を開いた。 「どうしたの?」 「僕が約千年前の…っていうのは知っているだろうけど、ちょっとした懺悔というか。喋っていい?」 「うん。今なら別に何言っても大丈夫だよ」 剣は少し間を開けて「すまない」と言ってから続けた。 「あの時、僕は一人で戦った。勿論、仲間はいたよ。彼らの支えは本当に頼りになった。 でも、僕は彼らに絶対に戦いの場というか、前線には出て欲しくなかった」 「それは、仲間が傷つくから?」 「そう。あの時の僕は、仲間達を傷つけたくなかったと思っていた。 傷つくなら僕一人で十分だというか、そんな感じ。でも、彼らは怒った」 「それは…何となく分かるような気がする。頼られていないのではないか、と思うかもしれない」 「彼らも君と同じような事を言った。『どうして頼ってくれないんだ。もっと無理を言ってくれよ』とね。 あの時の僕は未熟だった。彼らに重荷を背負わせる事が罪だと思っていたんだ。 僕が彼らに対して取っていた態度こそが、罪だと知らずにね。 君の仲間達への接し方を見る度、それを見る度に、僕は強く後悔するんだ」 ユールは何と返してよいか分からなくなった。 剣の言う事も、剣の仲間達も、それぞれの言い分も正しいように思えたからだ。 この話を聞いた私も、どちらが正しいか判断に迷っている。今も時々考えるが、結論は出ない。 剣はユールの引き起こした沈黙の空気に耐えかねたかのように喋った。 「すまない。こんな話をしちゃって」 「いいや、いいよ。……ちょっと私もいいかな」 「なんだい?」 そこでユールは思いだした。カーニバルへ来る前、あの人が言っていた言葉を。 一言一句正確に思い出すのは不可能だが、要点さえ押さえていれば十分だ。 「カーニバルに『マキナ』って宝物があるって、ある人が言ってた」 「宝物?」 「うん…それで、私はそれを見つける事が出来た」 「それってどんなもの?」 「お金とか、財宝とか、そういった類のものじゃないの。 うーん、物が一つ、心に残る物が一つかな。 心の方はマキナではないよ。大切な友人たちの繋がりを確かめられたという事。これが心の宝物。 マキナは……マキナは、私にとってのマキナは、あなた」 「僕?」 「あなたには名前が無いんだよね。だったら、私が名前をつけてあげる。 今からあなたの名前はマキナ。…ねぇ、気にいってくれたかな?」 「それはもう、十分に。…ありがとう、ユール」 187 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/21(金) 00 09 06 ID DYSvyKCu0 第一ブロックの造りは前に説明したと記憶している。 が、私が再度確認する意味も込めて、改めて説明をしようと思う。 第一ブロックはカーニバルの駐車場の方に城壁を構えている。 大体の高さは30メートル程だ。駐車場側が構える立体駐車場の一番上と連結している。 そこからでのみカーニバルへ入園する事が出来ない。 城壁と立体駐車場を結ぶ橋の下には東レイヴン海が広がっている。 城壁に下り階段が存在する。そこから第一ブロックに降りられる。 第一ブロックは半径2キロメートル程度の円形に近い形をした島で、 中央には噴水が、それを囲うように細長い煉瓦造りの建物が存在する。全部で七棟だ。 第一ブロックの外周に、ターミナルへと続くメトロステーションが一つと、 第二ブロックへ連結する橋と、そして第三ブロックへ伸びる連結する橋が架けられている。 (橋の話はしていなかったかもしれない。今更ながら、説明不足が多く申し訳ない。 多分、こんな話をする度にこういう説明不足といった醜態をさらす事になるだろう。 しかし、現実に近いイメージを持って読んで欲しい私の気持ちの表れでもある。 どうか目を瞑って、心にゆとりを持って読んで欲しいと願う。今更ながらの、私の勝手な願いだ) アルベルトは自分の部隊の持ち場である第一ブロック中央にある噴水の近くにいた。 その隣には双子の姉であるアリスもいる。 彼女の方へ眼をやると、HMDとして機能するゴーグルが視界から入る情報をやたらとデータ化する。 例えば、アリスの身長は何センチかというのが分かる、といったような具合だ。 そして、赤いパワードスーツを着ているという事と、靴の形をした加速器を履き、ジェットパックを背負い、 自分が装備しているこのゴーグルと同じものを装着しているという事が分かる。 黒いパワードスーツを着込んだアルベルトは、そうしてこのゴーグルの効果を改めて思い知らされ、 それを含む現在自分が装備している四つのアイテムの凄さを実感した。 たが、それらなんか比較にならない程、彼に凄さを通り越して恐ろしさを与えていたものが二つあった。 一つはもうじきやって来るライオン型の兵器。もう一つはそれに対抗するために自分に渡された武器だ。 自分に渡された武器。GFのコントローラーを模したエネルギー弾発射装置。 三色のネックボタンの内一つを押しつつピッキングをする事によって弾を撃つことが出来る代物だ。 その中には、大規模の市街地の電力を賄う事が出来るとされている小型のジェネレータが埋め込まれている。 詳しい使い方はアルベルトの頭にもアリスの頭にもしっかり叩きこまれていた。 アルベルトが恐れいていたのは、この武器の使い方を忘れてしまうかもしれないとかいうものではなかった。 こんな物騒なものを持たされ、初っ端から半端じゃない敵と戦わなければならないという この状況に対する事の恐れと、自分の命を左右するであろう自分の武器へ抱く安堵と 絶大な威力を持つそれに対する恐れ、その三つが入り混じったようなよく分からない恐怖感であった。 188 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/21(金) 00 16 00 ID DYSvyKCu0 ふと、クーリーの事が気になり、アルベルトは空を見上げた。 視界に青い箱を収めると、一瞬の内に彼の脳裏にある映像が浮かび上がった。 アレは…数年前の、中学の時の修学旅行だった。 何日目の話だった?…そもそも、その旅行の時間が全部で何日間か覚えていないけれども。 あそこは、確か、遊園地。そう、遊園地に行ったんだ、どこかの大陸の。 それで、俺はクーリーを連れて色んな所へ行った。ユールも一緒だったような気がする。 色々回って、そして観覧車に乗ろうという話になった。頂点付近から見る遊園地の景観は どんなぼろい所でもそれなりに綺麗に見えるってのが俺の持論だ。 並んで順番を待ち、俺達が観覧車に乗り込んで係員が鍵を閉めた。 俺の向かいにはクーリーとユールが座っていたはずだ。仲の良いカップルのように見えたが、 二人の間に結ばれているのは強い友情だけだ、という台詞を思い出した。クーリーが言っていた気がする。いや、ユールか? クーリーは最初、観覧車の頂点付近から見る遊園地の景観がどうこうという俺の持論に期待していた。 ちょっと問いただしてみると、クーリーはこれまでに観覧車に乗った事が無かったらしい。 それなら、きっといい経験が出来るぜ、と俺は言って徐々に高度を上げていかれる感覚に身をゆだねた。 そろそろだ、と俺は感じた。大体、観覧車が好きな奴は、どのタイミングでどこまで高度が上がった、という事が分かる。 ちょっとした特技の一つにカウントされてもいいと思う。 そして俺はそろそろだ、と二人に言った。いや、二人とも前々からずっと下を見ていたのだから言うまでも無かった。 俺の立場を奪いやがって、なんて思っていると、クーリーの様子がおかしくなったのに気がついた。 汗をだらだらと流している。爽やかな汗ではない事は分かった。 まるで、トイレを我慢しているときに流すような汗だ、と思った。いわゆる冷や汗ってやつ。 俺でさえ気がついたのだから、ユールもクーリーの異変に気がついた。 ユールがクーリーに「大丈夫?」と声をかけていたのを覚えている。 クーリーは目を瞑ったまま首を横に気だるそうに振っていた。 そう言えば、クーリーの耳にイヤホンのような物がついていたと思う。何かの曲を聞いて気を紛らわせていたのだと思う。 そこでアルベルトの記憶は途絶えている。途絶えたという訳ではないが、よく思い出せない。 たった数秒でそんな記憶を再生させ、アルベルトは強く思った。 今、クーリーがあんな高い所を飛んでいる。俺だって怖がっちゃいられねぇ。 189 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/21(金) 00 22 07 ID DYSvyKCu0 アルベルトが覚悟を決めていた頃、ユールはクーリーと無線連絡をしていた。 ユールもアルベルトと同じく、クーリーの事を心配していたのだった。 「こちらログ。クウ、聞こえる?」 「…聞こえる」 「体の具合、大丈夫?」 「…まぁ、なんとか」 「良かった。クウ、無茶だけはしないで」 ユールがそういうと、クーリーは長い沈黙でそれに答えた。 ユールはそれに納得し、そして不思議に思った。クーリーは無線を切ろうとしなかったのだ。 アルベルトが思い出した観覧車の件と、カーニバル駐車場と第一ブロックを繋げる橋での件、 その二つを総合して考えれば、クーリーは無線を切りたいと思っているに違いないはずなのだ。 余裕が無くなれば、その分余計な事が出来なくなる。必要な事も出来なくなる。 クーリーは誰とも話したくないはずなのに、どうして無線を切らない?とユールが考えていると、 「…無茶しないと、勝てない相手だよ…… ……僕は、どうにかして、高所恐怖症を克服しなきゃ…… …こいつは、とんでもなく無茶な事だ…でも、やらなきゃ……」 クーリーの独り言が聞こえた。 彼は必死に自分の気持ちに働きかけていた。高い所なんか怖くないのだと。そして、 「……僕の大切な人の為だ、やらなくては……」 クーリーはこうも言った。ひどく弱々しい声で、しかしそこから感ぜられる意思は確かなものだった。 多分、これはクーリーなりの意思表示の仕方だったのだろうとユールは考えた。 ユールは自分から無線を切り、そして口を動かさずにクーリーの機体を見ながら一言。 「ありがとう」 190 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/21(金) 00 32 16 ID DYSvyKCu0 「来た!」アヤの声だ。 「何が?」とユール。 「ライオンだ、ライオンが来た!」 「あ、じゃあ総帥は?」 「総帥は近くの島に着陸した! 現在、未だに一機の輸送機がこちらに接近中!何かをパージするのを確認!」 かなり的確な情報だというのはユールでもすぐに分かった。 南方から一機の大型の航空機が飛来してくるのが分かる。 すぐに黒い影が地に落ちて行くのも視認出来た。 HMDのレーダーにも赤色の点として、つまりは敵性反応を持つ存在として映っている。 「アヤ!」 「どうしたノエル1!」 「いま、どこにいるの?兵器廠からでもそんなに詳しく分かるの?」 「上空にいる!よく上を見てみろ!」 言われてユールは視線を敵性航空機から空へと向けた。 何も無いように見えたが、何か変な違和感を感じる。 これは一体なに?と考えるユールに答えが与えられた。 「視覚、レーダー、両ステルス機の空中管制機だ。これに乗るのは初めてだから上手く指示が出来ないと思う。 とりあえずこっちの心配はしないで存分に戦ってくれ!」 そういう事か、とユールは合点し、了解の旨を伝えると無線が切れた。 クーリーと連絡し、彼を先頭にして落ちて行く敵に接近する。 ユールはノーマルモードの兵装の安全装置を解除、どの兵装もすぐに撃てるようにした。 「白が照明弾、緑が対地対空速射砲、青がバインドレイン… 対地兵器、敵の動きを封殺だった?んで、赤がリニアガン、言ってみれば切り札………」 ユールは確認の独り言をぶつぶつと呟きながら いつもポップンをプレーする時と同じように、彼女なりのホームポジションで両手を構えた。 191 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/21(金) 00 38 49 ID DYSvyKCu0 アルベルトは、何か轟音が聞こえると思い、気になって空を見上げた。 あの箱型の機体は音を立てない。何かの駆動音は聞こえるのだろうが、爆音は立てていない。 ならば、別の何かだということが分かる。 アルベルトの視界に映る空には何かによってステルスカバーしているような機体が遥か上空に、 それよりかなり下の高度にユール達の機体と普通の飛行機が見えた。 そして、ゴーグルについているスピーカーからアヤの声とユールの声が聞こえた。 自分から制限をかけない限り、ユール、クーリー、自分、アリス、キリー、トルセ、アヤとは 無線連絡は常にコネクティングされている事を思い出す。 二人の無線通信の内容からアレだ、とアルベルトは確信し、飛行機に焦点を合わせる。 普通の飛行機のように見えたが、それは違っていたという事に彼は気がついた。 何か機体の腹の部分が徐々に開き、目一杯に開ききると同時に何かが落ちたのが視認出来た。 「アレがライオンか……ゴーグルの予測落下座標は……城門の近く、第一ブロック寄りか」 アルベルトが呟く。近くにいたアリスがギター型の銃器を構える。 いつでも撃てる恰好だった。姉の姿に倣い、アルベルトも銃を構える。 十数秒が経過して、アルベルトが四度目の深呼吸をしている途中、 機械仕掛けの百獣の王者は予測された地点に轟音を大きく轟かせて着地した。 その大きさはホログラフで見たものより若干大きい印象を抱かせるサイズだった。 アルベルトはブリーフィングの内容を思い返しながらアリスだけに無線連絡をした。 「想像以上にデカイな…姉貴、どうやって攻め……」 その後「え?」とアルベルトはこぼした。振り返っても姉の姿が無かったからだ。 先程までアルベルトの視線の先にアリスは立っていた。 しかし、瞬間移動でもしたかのように彼女はそこから消え失せていた。 敵にやられた、という訳でもない。不可視の攻撃など伝えられていない。 という事は、残された可能性は一つしかなかった。 「畜生!逃げやがった、姉貴逃げやがった!!」 叫ぶアルベルト。姉に対する憎悪を露わにしながらアルベルトは緑のピックを押さえ、勢いよくピッキングする。 192 :carnival (re-construction ver) Phase3 -decisive battle-:2009/08/21(金) 00 48 57 ID DYSvyKCu0 ビィッ!と緑色のレーザー弾がライオンに向けて飛んで行く。 それを見て、赤が高熱、緑が衝撃、青が冷気に特化した弾を 撃ちだすための操作だった、とアルベルトは思い返していた。 レーザー弾が直撃、爆音を立ててライオンの顔面から煙が上がるも、 それをものともしないようにライオンの鬣が光り、危険を感じ取ったアルベルトは左に駆けだした。 バシュゥ!と気持ちのいい爆音を立てながつつ、破壊光線がアルベルトの元いた場所を通過した。 走りながらアルベルトは振り返る。ライオンのレーザーは地面に当たったらしく、 バゴォン!!と轟音を立てながら地面に小規模のクレーターが出来上がっていくのが見えた。 「ひでぇ、あんなの当たっちまったらこれ着ててもイチコロじゃねぇか! あぁ畜生!!ハザードってレベルじゃねぇぞ!!!」 アルベルトは狂ったかのように叫びながら靴型の加速器を初めて使った。 別名「MAX300」と呼ばれるその赤い靴は、ブースターを噴かせて 最高時速300km/hものスピードで地上を駆け抜ける事を実現させる程の代物である。 そうして高速で駆けだしながら、噴水付近に建てられている七つの建造物で身を隠しつつ どうにかして敵の背後を奪えば、そうすれば勝てるはずだとアルベルトは考えていた。 だが、ライオンはアルベルトがどこから現れるかを予測するだけの知能も持ち合わせていた。 アルベルトが城門に近い側からライオンに向かって最高速で駆けると、ライオンは顔を彼の方に向けてきたのだ。 身の危険を感じたアルベルトは背中のジェットパックを噴かせた。 勢いよく体が上空へ持ちあがる。 高度30メートル。 眼下にライオンの鬣から放たれる青い光の筋。 着弾。 爆音。 高度が下がる。 ライオンの後ろを取り始めて行く。 完全に後ろを取る。 高度が下がる。 着地。 アルベルトが着地した時、ライオンはすでに180℃反転していた。 彼とライオンの距離はおよそ三メートル。危険領域、という言葉では言い表せないほど 危険な距離にアルベルトは着地してしまった。 「顎髭の所、そこに放射状についている三枚のパネルのそれは ホログラフにも出ていると思うけど、レーザーブレード照射装置よ。 正面から接近戦を挑めばアレで焼き切られてしまう」 「バルカン砲だね。WSFが使っている中でもとびっきりの威力の。 それを喰らっても体はバラバラになると思うわ」 アルベルトの頭の中にトルセの言葉が思い返された。 間違いなく、正しい手順を踏んでこの状況を脱しなければ殺されてしまう! carnival (re-construction ver) Phase 3 -decisive battle- St.3へ続く コメント 名前 コメント
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自分だけのナンバープレート!! http //m.game.watch.impress.co.jp/docs/news/20131010_619011.html 車のカスタムはバグで反映されず金だけ減ることもあるみたいなのでオススメしません! ナンバープレートだけ注文するといいです! SCとPSNをリンクさせないと使えない。 『Grand Theft Auto iFruit』で検索! スマホでフレンドのオンライン状況確認、メッセージ送受信が出来る!! 2つのアプリをインストールする必要有り。 インストール➡http //www.jp.playstation.com/psn/ps_app/sp/
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カイムを振り切った二人は、小高い丘の上に登っていた。 「一体全体どうなってんだい………この世界は……。」 二人組のうちの一人、ウルボザは丘からの景色の先を睨んでいた。 かなり遠くにあるため小さく見えるが、その先に見える建物の一つは、間違いなくハイラル城だった。 「あのお城、知ってるの?」 遥はウルボザの視線の先にある城を見つめる。 「知ってるも何も、私はそこの姫様を守る英傑の一人だったのさ。」 「エイケツ?」 知らない言葉で遥が首をひねる。 「難しく考える必要はないよ。国にとって大事な人を守る人、ぐらいに考えてればいいさ。」 「おじさん……みたいな?」 遥は答える。 彼女が言う桐生一馬は、国にとって重要な人物、というわけではない。 だが、守りたい者あれば命に代えてでも守ろうとする人物だった。 「へえ……おじさんって人も、誰かを守る英傑なのかい?」 遥は首を振る。 桐生は他のヤクザからも様々な呼ばれ方をしていたが、英傑という二つ名は聞いたことはなかった。 「とりあえず、強い人ってのは分かったよ。それでいいだろ?」 遥は黙って首を縦に振る。 「アンタも大事な人がいるじゃないか。その人の為にも、死んじゃダメだよ。」 遥は釈然としないような表情で、頷く。 (御ひい様より、もう少し小さいかねえ……) ウルボザは感じ取った。 この少女も、どこか年不相応に感情を押し殺していると。 かつてのウルボザが守る相手と同じように。 (何があったか知らないけど、ヘンに背伸びしていても、いいことはないんだよ……。) 自分の出来ることと言えば、その相手をそっと見守るくらいだ。 それしかできないのなら、命続く限り、それを押し通そうとウルボザは決意する。 「ところで遥、あんたはこの地図でどこか知ってる場所はあるかい?」 遥は地図の右下、『セレナ』と書かれた場所を指す。 「ここに、おじさんもいる……。」 そこは、遥にとって思い出の場所。 あの日『バッカス』で桐生に助けられてから、家代わりに使っていた場所。 桐生は常にいたわけではないが、同じようにセレナを拠点として使っていた。 その場所に行けば桐生にも会える。 いつもと同じように助けてくれる。 麗奈も同じように匿ってくれる。 そう心の中で信じていた。 「ちょっと遠くなりそうだね……まずはあっちに見える、船みたいな場所に着いたら休憩して、それから行こうか。」 ウルボザはハイラル城とは違う方向を指差して言った。 確かにここからでもセレナは見えないくらい遠いので、何も言わずにそうしようと遥も思う。 丘を降りて、北東へ進もうとする二人。 目指す先はE-3,偽装タンカー。 なぜ堂々と地図に「偽装」と書いてあるのか二人共謎に思うが、船の中なら隠れやすい場所があるかもしれない。 道をそのまま歩いていると、前方によたよたと歩く人の姿が見えた。 「ちょっと!!アンタ、大丈夫かい?」 ウルボザがその姿を近くから見ると、それは妙齢の美しい女性だった。 しかし、服には血がべっとりと付いていた。 歩き方のおぼつかなさから、恐らく悪質な参加者に襲われ、済んでの所で逃げてきたのだとウルボザは推理する。 「…………。」 女性は口をパクパクと動かし、何か言おうとしている。 「え!?」 「タベ………タ…………イ。」 「あんた、お腹空いてるのかい?私の食べ物をあげようか?」 ウルボザはザックを開き、パンを取り出す。 彼女は勘違いしていた。 些細な、しかしこの戦いの場ではとてつもなく致命的な勘違いを。 美しい女性、アリオーシュの服についていた血は、彼女の物ではなく、彼女を襲ったゾンビのもの。 そして、彼女が食べたいと言っていたのは、決して支給品の食料などではなく……。 「え!?」 女の細腕とは思えない力で、いとも簡単にウルボザが押しのけられた。 地面に倒れはしなかったが、勢いでパンを落としてしまう。 「コドモ……タベタイ………。」 アリオーシュは目をギラギラと光らせ、遥に向かう。 「タベタイ………タベタイ!!」 「………!!」 その勢いに身がすくんで遥は動けなくなった。 歯をむき出しにして迫り来るアリオーシュ。 たまたま出会った女性が、子供を「捕食して守ろう」とする精神異常者だとどう想像しよう。 そしてその女性がT-ウイルスの影響で、異常さが加速しているなど、大層な妄想癖がある人物でもない限り、想像できまい。 いや、この世界では異常こそが正常であるのかもしれないが。 遥も、神室町にいた時から、誰かが殺される瞬間や、自分が死の危機に瀕したことはあった。 だが、自分を捕食しようとする人物に会ったことは一度としてなかった。 アリオーシュは遥の腕をガッチリ掴む。 手に、子供の柔らかくて弾力のある肉の感触が伝わる。 この感触を、守りたい。手だけではなく、口の中でも、体の中でも味わいたい。 アリオーシュは口を大きく開け、遥の肉を食いちぎろうとする。 「――はぁッ!」 しかし、落雷がその目的を阻害した。 「アアアアアアギャアアアあああ!!」 けたたましい悲鳴と共に、遥の拘束が解かれる。 「何ボサっとしてんだい!!早く逃げるんだよ!!」 ウルボザは遥に怒鳴る。 「え!?私………。」 「私のことは気にするんじゃない!!これを持って先に船の所へ逃げるんだよ!!」 ウルボザは武器以外の支給品を入れたザックを遥に投げる。 ザックの衝撃が体に伝わってようやく遥は逃げ始める。 今になって、遥の心の奥底から恐怖が湧き出てきた。 食べたい? あの女性が言ったことが、理解できなかった。 神室町にいた時は、命の危機にさらされたことは何度もあったけど、食い殺されそうになったことは一度もなかった。 食べられるってどんな感じだろう。 普通にご飯を食べていたけど、食べられる側のことは考えたことなかった。 きっと、銃なんかで撃たれるより、痛いんだろう。 そんなことを頭にめぐらせながら、遥は走る。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 「コドモ………タベタイ……カエセ!!」 電撃の痺れから回復したアリオーシュは、バタフライエッジを抜き、ウルボザに敵意をむき出しにする。 「返せっつったって、アンタのモノじゃないだろ!!」 同様にウルボザもロアルドスクロウを抜き、アリオーシュにめがけて構える。 (コイツ……私の雷を食らったのに、ピンピンしてるなんて、どういうことだい?) ウルボザが疑問に思ったのは、アリオーシュの生命力。 自分の雷を食らえば、人間は愚か、並みの魔物でも容易に戦意を喪失する。 だが、この女性からは全くそういったものが喪失した様子はない。 一時的痺れたのは確かだし、体のあちこちからまだ煙が出ているが、戦う気力は充分のようだ。 (まあいいさ、それなら容赦なく殺せるよ!!) その点からウルボザは、アリオーシュを人間の姿をした魔物だと判断した。 魔物ならそれでいい。 人間同士の殺し合いはたとえ相手が殺す気でいたとしてもする気は憚られるが、魔物なら心配ない。 いつもの魔物退治のように、冷静に心を殺して戦うことが出来る。 実のところはアリオーシュは人間である。 強靭な生命力のタネは二体の魔物との契約、そしてリッカーを捕食した時に得たTウイルスの影響なのだが。 アリオーシュが大剣を振り回し、ウルボザの首を掻っ切らんとする。 「そんなんで当たると思ってるのかい?」 ウルボザは素早く身を反らし、斬撃を紙一重で躱した。 大剣は誰も斬り裂かず、地面にめり込む。 その隙にアリオーシュに斬りかかろうとした瞬間。 地面から即座に二撃目が襲来した。 「!?」 「コドモ……殺シテ、取リニイかナイと………。」 咄嗟にロアルドスクロウで受け止め、鍔迫り合いに持ち込もうとするも、予想外の抵抗が両手に来た。 (なんて力だよ……モリブリンじゃああるまいし……。) 自分が力で押されるとは。 剣の大きさなら相手の方が上だが、それにしてもこの力は異常だと感じた。 「ちいっ!!」 「早ク……アのコ………タベタイ……。」 ウルボザもゲルドの族長として、生前は砂漠での過酷な訓練に明け暮れていた。 いくら魔物といえども、細腕相手に力で後れを取るとは予想していなかった。 再びアリオーシュが大剣を構えて、斬りかかる。 だが、その場所には誰もいなかった。 既にアリオーシュの真横に移動していたウルボザは、すかさず脇腹を蹴飛ばす。 「見せてやるよ。ゲルドの英傑の力を」 横から、アリオーシュの一撃が襲い来る。 確かにそれはウルボザを斬ったはずだった。 しかし風に飛ばされた木の葉のように身軽に舞うウルボザに、致命傷を与えたことにはならない。 その後も大剣が振り回されるも、一度も斬ることは出来ない。 ウルボザは踊り手のようにアリオーシュの周りを動きつつ、翻弄していく。 いくらウルボザに力があっても、力比べではゴロン族やヒノックスに勝つことは出来ない。 だが、彼女ら、ゲルド族には身のこなしがある。 ウルボザがゲルドの戦士として生きた時代より昔から存在していた戦い方。 蝶のように美しく舞い敵を翻弄させ、蜂のように刺す。 その美しさと激しさでは、他の部族で右に出る者はいない。 (私のお気に入りの剣と盾が無いけど、上手くいったようだね。) 最初の狙いはアリオーシュの利き手。 首尾よく手の甲を斬り付けることに成功した。 剣を落とすかと思いきや、傷ついた手でまだ攻撃して来る。 相手は人間ではないと改めて実感しつつも、今度は姿勢を低くして左足を斬り付ける。 やはり反応は鈍い。 相手に痛覚というのが無くなっているのか。 それとも罠のようなものか? ウルボザは相手の様々な手を予想する。 たとえ目的が食事や子孫繁栄のような、極めてシンプルなものしかなくても、罠を張って狡猾に戦ってくる魔物もいる。 集団で襲撃し、地形に隠れながら襲撃の時を待つリザルフォスが良い例だ。 言い表しようのない嫌な予感に恐れたウルボザは、早急に相手の急所を突こうとする。 「私の、子供ハどこォォぉ?」 アリオーシュの大剣がウルボザの胸に襲い掛かる。 しかし、ウルボザは空中でトンボを切って一回転。 「もらった!!」 そのまま、逆にアリオーシュの心臓にロアルドスクロウを突き刺した。 「アアアア!!」 アリオーシュの体は痙攣し、膝をつく。 (しかし、恐ろしい相手だったね………。) 先に逃がした遥を追わなければいけないが、相手はウルボザの予想を上回る力と生命力を持っていた。 一先ず落ち着こうと、息を大きく吸い込む。 「ふう………」 それを大きく吐き出す。 どうにか心を落ち着かせたウルボザは、再度息を吸って、遥を追いかけようとする……が、それが何故か出来なかった。 アリオーシュが持っていたバタフライエッジが、ウルボザの心臓を貫いたから。 「………!!」 なぜ、と言おうとする前にウルボザの口から大量の血が出る 「ウフフフ………肉……にく……ニク…。」 そのままアリオーシュは剣を抜く。 ウルボザから体から大量の血が噴き出て、崩れ落ちた。 だが、さっき雷を打ってからとっくに1分は経っている。 せめて、もう一度。 この怪物を生かしたら、きっとまた誰かが犠牲になる。 その犠牲を、ここで止めねば。 (遥、あんたは生きなよ。) 血が行き渡らず、言うことを聞かない腕を無理やり上げ、技の体勢に入る。 その瞬間、雷が落ちた。 ウルボザの頭に、バタフライエッジという名の雷が、だが。 彼女はアリオーシュを、人の姿をした怪物だと思っていたが、心臓を失ってなお動ける怪物だとは思ってなかった。 それは、不注意だろうか。 否、不注意ではない。 なにしろアリオーシュが心臓を失っても動ける体になったのはつい先ほど。 彼女が捕食したリッカーから手に入れた、Tウイルスの感染が原因だからだ。 (運動しタからカしラ?お腹……空いタわネ………。) アリオーシュは動かなくなったウルボザの身体にかじりつき、肉を食いちぎる。 Tウイルスは過剰に代謝の速度を上げるため、空腹も異常なペースで進行するのだ。 (やっぱり……美味シクナカッタわね…………。) 新鮮な肉なのでリッカーよりかは美味だが、やはり大人の肉は硬くて食べにくい。 それに、もうすぐ代えようのないご馳走にありつけるのだから、こんなもので満腹になるわけにもいかない。 あの子がやっぱり食べたい。 二口、三口もすればすぐにその肉塊を棄て、衝動に身を任せてそのまま歩き始めた。 【E-3/草原 /一日目 黎明】 【アリオーシュ@ドラッグ・オン・ドラグーン】 [状態]:ダメージ中、T-ウイルス感染(進行中) [装備]:バタフライエッジ@FINAL FANTASY Ⅶ [道具]:基本支給品、ランダム支給品 [思考・状況] 基本行動方針:こどもたちをまもる。 1.遥を追いかけ、食べる。 2.さっきからお腹が空いてしょうがないわ…… ※リッカーを食べたことによりT-ウイルスに感染しました。 現在でもクリーチャー化が進行中です。 それに伴って回復力と、食欲が増進しています。 また、クリーチャー化した場合脳を破壊され完全に活動を停止した段階で「死亡」と判断します。 【E-3/偽装タンカー前 /一日目 黎明】 【澤村遥@龍が如く 極】 [状態]:健康 恐怖 [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品(1~3個) ウルボザのランダム支給品(1~2個) [思考・状況] 基本行動方針: 自分の命の価値を見つける。 1.ウルボザを待つ 2.ウルボザと合流して休憩した後は、セレナへ向かう。 3.おじさんと会いたい。 ※本編終了後からの参戦です。 【ウルボザ@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド 死亡確認】 【残り59名】 「ふむ、怖気付いたのかね、バレット君。」 遠くの方で、最初に雷が落ちたのを見たのは、バレットだった。 もしや仲間が雷の魔法を使ったのではないかと気になり、その方角へ向かうことを提案する。 偽装タンカーへと向かう途中だが、回り道をすると、衝撃の光景が広がっていた。 一人の女性が、別の人間を食べていたのだ。 すぐに食べるのをやめてどこかへ歩き出したが、それ以上に衝撃的だったのは、背中にぽっかりと穴が開いていたことだった。 背中に穴が開いても何食わぬ顔して歩けることは、銃を心臓に打ち込んでも効果がない可能性が高い。 頭に打ち込んだり、首を切り落とせば殺せるかもしれないが、支給されている武器の使い方も分からない今は、勝てるかどうか分からない。 「うるせえ……どうするか考え中だ。」 自分は考え事は苦手だが、そう答えてしまう。 「君は銃弾(バレット)なのにすぐに飛んでいかないようだな」 「……。名前で遊ぶなっつってんだろ……。」 目の前の同行者さえ何者なのか分からない状態で、対処法もはっきりしないまま相手に戦いを挑みたくない。 しかし、相手が向かっているのは自分達が目指していた、タンカーの方角。 今戦わなくても、目的地を変えなければ、すぐに戦うことになる。 今すぐに戦いを挑むか、もう少し様子を見るか、はたまた進路を変えるか。 【E-3/草原 /一日目 黎明】 【バレット@FF7】 [状態]: 健康 アリオーシュに対し若干の恐怖 [装備]: 神羅安式防具@FF7 [道具]: デスフィンガー@クロノ・トリガー 基本支給品 ランダム支給品(0~1) [思考・状況] 基本行動方針: ティファを始めとした仲間の捜索と、状況の打破。 1.あの女性(アリオーシュ)をどうする? 2.タンカーへ向かい、工具を用いて手持ちの武器を装備できるか試みる 3.マテリアの使用法をオセロットに説明するとともに、怪しいので監視する ※ED後からの参戦です。 【リボルバー・オセロット@METAL GEAR SOLID 2】 [状態]:健康 [装備]:ピースメーカー@FF7(装填数×6) ハンドガンの弾×12@バイオハザード2 [道具]:マテリア(???)@FF7 基本支給品 ランダム支給品(0~1) [思考・状況] 基本行動方針:??? 1.バレットとともにタンカーへ向かう。 ※リキッド・スネークの右腕による洗脳なのか、オセロットの完全な擬態なのかは不明ですが、精神面は必ずしも安定していなさそうです。 Back← 055 →Next 052 We re tied with bonds, aren t we?(前編) 時系列順 056 TRIGGER 054 ささやかなふれあい 投下順 002 Aの食卓 アリオーシュ 066 アリオーシュの奇(出題編) 014 Abide 澤村遥 101 偽装タンカーを探検しよう ウルボザ GAME OVER 043 Bullet & Revolver バレット・ウォーレス 066 アリオーシュの奇(出題編) リボルバー・オセロット
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概要 Mictlanは何世紀もの間孤立していた古代部族の帝国です。 MictlanのPriest Kingの忌々しい風習は、多くの隣人らを去らせたか、奴隷としたか、あるいは生贄として死に至らしめました。 王国の黎明より、首都の寺院では血が零されてきました。 しかし今、新たな時代は始まりました。孤立はLawgiverの出現により破られています。 血のカルトは廃止され、聖職者らは現在Lawgiverに従います。 孤立はMictlanを後進国としたため、その戦士は古風な武具を使用します。 軍は、主に新たに征服された地からの奴隷によって構成されます。 Mictlanの魔法神官は、Lawgiverの2つの顔と2つの権能、すなわち太陽と月、雨と森を賛美します。 種族 人間。適正気候Heat+1 軍事 投石器や手槍を持つ軽歩兵。部族王は奴隷を確保できる。神聖な鷲戦士、ジャガー戦士 魔法 火、星、緑、水 聖職者 強力 要塞技術 レベル1(Fortress) 初期宝石 火1、風1、水1、星1、緑1 魔法土地 Temple of the Moon、Temple of the Sun、High Temple of the Sky and the Rain、High Temple of the Land 指揮官 名称 コスト 制限 雇用条件 解説 Scout 25g,2r 要塞 偵察兵:槍と投石器を持つ軽装な偵察兵。役割は他国のものと変わらない Tribal King 90g,15r 要塞 指揮官:Sacred持ちの指揮官。奴隷兵の確保が可能で、その指揮も得意。指揮上限80 Mictlan Priest 65g,1r 要塞 聖職者:レベル1の聖職者。火水星緑のいずれか1属性の魔法スキルも持つ Nahualli 125g,1r 要塞 魔術師:緑、星を中心とする魔法スキルを持つ魔術師。七面鳥に変身して飛ぶこともできる Sky Priest 70g,1r 要塞 聖職者:レベル1の聖職者。風の魔法スキルも持ち、たまに他の属性も持つものを得られる。パトロールが得意 Moon Priest 125g,1r 首都 聖職者:レベル2の聖職者。星の魔法スキルも持つ Sun Priest 135g,1r 首都 聖職者:レベル2の聖職者。火の魔法スキルも持つ。指揮上限40 Rain Priest 125g,1r 首都 聖職者:レベル2の聖職者。水の魔法スキルも持つ High Priest of the Sky 225g,1r 首都 聖職者:レベル3の聖職者。風を中心とした魔法スキルも持つ。飛行可能でパトロールも得意。指揮上限40。老齢 Priest King 210g,5r 首都 聖職者:レベル3の聖職者。緑を中心とした魔法スキルも持つ。上級指揮官も兼ねており、奴隷の確保と指揮もこなす。指揮上限120 Couatl 300g,1r 2ターン雇用 首都 聖職者:レベル2の聖職者。星と緑を中心とした魔法スキルも持つ翼ある蛇。指揮上限80 兵士 名称 コスト 制限 雇用条件 解説 Warrior 9g,2r 要塞 軽歩兵:槍と投石器、皮盾だけを持つ戦士。Mictlanの兵と指揮官はすべて森林のサバイバル能力を持つ Warrior 9g,8r 要塞 歩兵:鎧兜を与えられた戦士。敵からの撃ち返しが予想されるなら Warrior 9g,10r 要塞 歩兵:投石器を手槍に持ち替えた戦士。兜も強化。より接近戦向け Warrior 9g,13r 要塞 歩兵:槍を槌矛に持ち替え、鎧が強化された戦士。マップ移動力1 Feathered Warrior 18g,13r 要塞 鼓舞兵:美しい羽飾りを身につけた熟練戦士。割高だが戦闘技能も高め。マップ移動力1 Moon Warrior 12g,14r 要塞 歩兵:黒曜石の刃が付いた棍棒を持つ熟練戦士。盾を持たないが暗視能力があり、戦闘力にも優れる。マップ移動力1 Eagle Warrior 15g,3r 要塞 軽歩兵:Sacred。槍と短剣を持つ戦士。祝福を受けると飛行可能になる Sun Warrior 18g,15r 首都 歩兵:Sacred。斧と手槍を持つ戦士。神聖な兵ではもっとも重装備。マップ移動力1 Jaguar Warrior 26g,4r 首都 軽歩兵:Sacred。黒曜石付き棍棒を持つ戦士。防御力は低いが、倒されるとWere Jaguarに変化して戦闘を継続、生き残れば戦闘後には戻る 地方守備隊 種別 指揮官 兵士 備考 地上下位 Tribal King Warrior 20 Warrior 10 Warriorはそれぞれ投石器を装備した鎧なしとありの2種 地上上位 Mictlan Priest Eagle Warrior 10 Warrior 10 Warriorは槌矛装備 魔法技能 条件 名称 固定 変動 備考 要塞 Mictlan Priest 1 +1 100% Sacred 要塞 Nahualli 12 +1 10% 要塞 Sky Priest 11 +1 10% Sacred 首都 Moon Priest 22 Sacred 首都 Sun Priest 22 Sacred 首都 Rain Priest 22 Sacred 首都 High Priest of the Sky 23 +1 100% +1 10% Sacred Old Age 首都 Priest King 23 +1 10% Sacred 首都 Couatl 312 +1 100% +1 100% +1 10% Sacred 召喚 Couatl 332 Sacred 召喚 Tlaloque of the East 4233 Unique Sacred 召喚 Tlaloque of the West 4233 Unique Sacred 召喚 Tlaloque of the South 2433 Unique Sacred 召喚 Tlaloque of the North 2433 Unique Sacred 召喚 Civateteo 112 Sacred 召喚 Tlahuelpuchi 112 召喚 Onaqui 2131 +1 100% Sacred 固有魔法 領域 使用 名称 主属性 副属性 宝石 解説 Conjuration Lv1 儀式 Summon Jaguar Toad 1 1 毒を吐く神聖なる蛙Jaguar Toadを1体召喚します Conjuration Lv3 儀式 Summon Jaguars 2 25 敏捷で強力な神聖なるJaguarを17体召喚します Conjuration Lv4 儀式 Summon Jade Serpent 2 5 部隊の士気を高める神聖なる水蛇Jade Serpentを1体召喚します Conjuration Lv5 儀式 Summon Monster Toad 2 2 毒霧に包まれ敵を蹂躙する神聖なる大蛙Monster Toadを1体召喚します Conjuration Lv6 儀式 Contact Couatl 1 1 40 優れた魔力を持つ神聖な翼ある蛇Couatlを召喚します Conjuration Lv7 儀式 Summon Tlaloque 4 60 4体のTlaloqueのうち1体をランダムで召喚します Blood Magic Lv2 儀式 Bind Beast Bats 1 8 飛行する神聖な蝙蝠の悪魔Beast Batを3体召喚します Blood Magic Lv4 儀式 Bind Jaguar Fiends 1 1 13 飛行する強力で神聖なジャガーの悪魔Ozelotlを3体召喚します Blood Magic Lv5 儀式 Contact Civateteo 2 2 25 死と血の魔法を使うアンデッド聖職者Civateteoを召喚します Blood Magic Lv6 儀式 Contact Tlahuelpuchi 2 25 魔法を使い変身能力も持つ暗殺者Tlahuelpuchiを召喚します Blood Magic Lv7 儀式 Contact Onaqui 4 101 優れた魔力と蝙蝠の羽を持つ悪魔Onaquiを召喚します Blood Magic Lv8 儀式 Rain of Jaguars 6 2 10 飛行する強力で神聖なジャガーの悪魔Ozelotlを14+体召喚します 固有アイテム 研究レベル 画像 名称 属性1 属性2 性能 解説 Construction Lv2 Jade Knife 1 1 威力 1 攻撃補正 1 防御補正 0 長さ 0刺突・魔法属性生贄の儀式効率+2 一度により多くの生贄を捧げられるようになる。武器としては弱い 前作からの変更点 コメント 名前 コメント